桃亜 2015-04-30 21:55:36 |
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「僕って……カルマくんに悪戯されてばっかりだと思わない?」
カルマくんの悪戯する回数が最近になって増えてきたのが気になったから注意しようと思って放課後の帰り道にそんな話をした。
「そうだっけ…?嫌な思いさせてたなら、ごめん」
一瞬考える素振りを見せたあと思い当たる節があったのか、素直に謝ってきた。だけど、これだけじゃ今日は許さないって決めてるんだ。
「……謝ってくれるのは嬉しいよ。…でも積み重なれば小さい事でも段々嫌になってくるんだよね」
「渚…くん?」
肩を落として悲しげな表情を浮かべると、カルマくんは動揺した。
「あのさ、そんなに悲しませる程の事なら俺…もうしな…」
「…もう、いいよ。付き合ってられないから、茅野のところに行ってくる。」
わざと冷たく突き放した。
「まっ、待って!やだっ」
か、可愛い…。カルマくんは目に涙を溜めて必死に僕の手をとって引き留めようとした。
「俺は…渚くんに構って貰いたくて悪戯してたんだ……っそんなこと言わないでよ…」
言っていて恥ずかしいのか真っ赤になって震えてる。
「うん、知ってる。カルマくんに今までの仕返ししたかっただけだよ」
頭を撫でると、僕の意図がわかったのかカルマくんは目をまあるくした。
こんな顔みれたし、少しくらいの悪戯は許そうかな、なんて。
―…僕は可愛いカルマくんには甘いのかもしれない。
end
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