ぬしし 2015-04-06 11:46:05 |
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____ Story .
あるところに、それはそれは可愛らしいお嬢様がおりました。城の皆可愛がり、勿論両親も大変お嬢様を大事に、大切に育てました。それからお嬢様は皆の愛情を一身に受け、大変可憐で美しいお嬢様に成長し、城下街では瞬く間にその噂は広がりました。そして、両親は思ったのです。このままではいつか、この子は攫われてしまうと。
その日から、美しいお嬢様は城から出るのを禁じられてしまいました。城の庭に出ることでさえです。お嬢様はとても悲しくなりました。窓から見える街を眺めては、賑やかな声や音を聴く度にお嬢様は胸が痛くなりました。
それからある日の夜のこと、寝ていたお嬢様はふと目が覚めてしまいました。何だか嫌な気配がする、と思いました。ベッドの上で体を起こし、暗闇で何も見えない中、そこに何者かの気配を感じていました。「──誰…?」恐る恐るそこにいる者に声を掛けます。すると、ぎしりとベッドが沈みました。月明かりに照らされ、徐々に露わになるその正体。
「──月が綺麗な夜ですね、お嬢様。」
To be continued...
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