主 2015-03-31 03:41:44 ID:77dd590c5 |
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(横目で隣人が再び廊下に出てきたのを確認しながら、がちゃ、一度鍵の向きを間違い形の合わない鍵穴に衝突、二度目は慎重に向きを確認して鍵穴に嵌ったのをぐりっと手ごたえがあるまで回して、戻す。咄嗟に目についたほうを持ってきてしまったから、キーチェーンにつけたほうじゃなくて、部屋番号のシールが貼られただけの頼りなく薄ぺらいスペアキー、をポケットに仕舞い込み、振り返って、彼の顔を正面からまともに見詰める形になって)あ。俺それ覚えてる(仏頂面のまま、大して驚いたふうなトーンでも無く、ただ事実を告げるように。眼鏡の奥の、彼と鏡になっているから、左目尻のあたりを彼の泣きぼくろを表すべく人差し指で差して。彼のことを思い出し始めた瞬間から、思っているよりも自分はテンパっているらしい、殆ど間を空けずに流れるような動作で両手を胸の前でホールドしてから、ゆっくり両手を下げ、「あの、お邪魔します」と猫背になりながら一歩彼のほうへ踏み出し)
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