私はね、そのモノの持つ口調には強い力があると信じているんですよ。 いっそ口調がかたちをつくり、中身にすらなるんじゃないだろうかと。 違ったんでしょうね。ほら、そうなれば私は私以外の何物でもないことになるでしょう。 だからそれは嘘なんです。だって口調がいくら同じであっても、中身が完全に違っているから、これは私の言葉ではないんです。