ヌシ 2014-12-26 21:17:49 |
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(/此方こそ比奈共々よろしくお願いいたします。)
ああ…、すみません(彼の科白と手の中のコインケースに二階に自販機がある変な学校だもんなあと納得した矢先、此方に伸びてくる彼の手に反射的に僅かに身を硬くし、ごく優しく埃を払われ。ああやっぱりと思うと同時にいとも簡単に年下の、ネクタイの曲がった教師のペースに既に巻き込まれてしまったと感じて困ったように、人には怒っているのだと受け取られてしまうのだが、眉根を顰め、ぺらぺらと捲くし立てるのに割り込むことも叶わず、いえ、とかはあ、とか相槌にもならないような曖昧な返事を挟みつつ、やや強引に話を進める彼の後を大人しくついて行き。もっとふんわりとした人だと勝手にイメージしていた為に、思ったより癖のある人物なのかと内心ギャップを感じ少なからずげんなりしてしまう、傍から見れば魅力的なのかもしれないがだってこういうタイプは得意では無い。大して口も開かずにむすりとして見えるだろう己を彼の“城”だという保健室へと迎え入れながら何故だか妙に楽しそうに顔を綻ばせ一人百面相を繰り広げているのだから、目を合わせないようにするほかないだろう。後ろ手に扉を閉めて、「ああはい」と顔を上げれば白衣の裾を翻す彼が器用にウインクなんて寄越すから、また、針が僅かにマイナス方向へ動く。今時、ウインク、しかも、年上の男に向かって。引くというより、怯むのほうが正しい心境を誤魔化そうと、失礼なのは分っているから相手に悟られないよう慎重に静かに目を閉じて、息を吐いて。目を開いて、言われた通りに椅子に腰を降ろし、傷の様子を見てみるともう血は止まり掛けで。汚れた面を内側に折り直したハンカチをポケットに仕舞い込み)
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