放課後の密談　-ml-

（こちらこそよろしくお願いいたします。早速ですがロールを短く纏めることが出来ず、あまり長くなるのも野暮かと一旦区切りましたのでまだ出会えません……。申し訳ございません。）

……ああ、（教室を出た足でそのまま英語科準備室へと向かい、机に抱えていた教材をひとまず置いて。バランスを考えずに資料や教材が詰め込まれ、果てには上にも埃を被ったおそらくもう処分しても良いような色々が奇跡的な均衡を保って積まれている、壁に沿って聳えるラックにふと目を遣ると、他の教師が少し古いが良い参考書があると言っていたのを思い出してまだ目を通した事の無いそれを探そうと立ち上がり。それが悪かったのだ、ラックの一段に目当ての参考書を見つけ、引き出そうとするが無理に詰め込まれている所為で少し力を込めただけでは抜けず、何とか取り出そうとしている内、揺れる耐震機能の備わっていないちゃちな金属製のラックの上から案の定埃と共に古い資料が降ってきて。当然全てを受け止めきれずによろけ、すぐ後ろの棚に思い切り左肘をぶつける。埃に咽ながら痺れる肘にぴりりとした痛みを感じ見てみると肘の下あたりが擦り切れて血が滲んでいて。棚の角に僅かに浮き出た鋭利な螺子に擦ったらしい傷は多分すぐに血は止まらない。偶々袖を上まで捲っていて幸運だったと思う、気に入っているモスグリーンのシャツが破れなくて済んだから。溜め息混じりに上記の短い感嘆、次いでハンカチで傷を押さえ準備室を出て、ここからは職員室より保健室の方が近いだろうと一階へ降りる階段に足を向け）