風人 2014-11-30 06:00:58 |
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『螺鈿迷宮』を読むたびに碧翠院つぶしは正しくなかったように思われる。
安楽死などの行為はたしかに犯罪だけど、桜宮の闇を一手に引き受けた存在でもあった。
天馬くんはすみれと小百合を通して碧翠院を学び巌雄先生から短い間ながらも医者として必要な心や信念を教わる。
だけど患者が次々に亡くなる碧翠院はホラーでありミステリー。
描写のいくつかが都市伝説ぽいところも相まって不気味。
読んでるとバブル三部作(『スリジエ』は未読)をのぞけば『螺鈿迷宮』は平成や21世紀の時代なのになぜか昭和の雰囲気を醸し出すシリーズ。
この時点の天馬くん若いけど続編『輝天炎上』でもまだまだ若さを残す。
『輝天炎上』の高原美智さんとの別れはちいさな一歩のように見えて実は大きな一歩であると思う。
『輝天炎上』ではAiと死因不明社会について彼と冷泉深雪がいろいろな先生方に出会い学ぶことで社会の見えない壁や問題に突き当たり向き合うというのがひとつの姿勢。
清川司郎先生はたしかに臆病なところはあるけどそうせざる得ない姿勢は社会もしくは組織に属する人間には本人の意思に関係なくあること。
妥協や臆病、あるいは他人に意思を委ねるのもやむを得ない。
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