風人 2014-11-30 06:00:58 |
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『極北ラプソディ』は一冊で四部に分かれてる。
一部では前作『極北クレイマー』のラストからの復習と世良先生が前作ラストで救世主と銘を打たれてからの極北市民病院の実情。
たしかに市役所の加藤課長や残った角田師長たちは残されて行き場のない者たちかもしれないけどどうあれ残ってそこで頑張ることも大切と思われる。
二部では世良先生の意向により極北市民病院から雪見市救急医療センターにとばされた今中先生を通してドクターヘリの必要性、ドクタージェット構想、速水先生の優秀だけどわがままっぷり。だけど桃倉先生長を中心に速水先生と伊達先生のバランスが取れてる雰囲気ある。
救急医療センターを今中先生が見ながら徐々に自分の考えを自覚して二部の最後に今中先生はドクターヘリでとんぼ返りする(笑)。
フライトナース五條さんと仲良くなれそうだったのにチャンスを結果的に逃す。
三部目ではドクターヘリのアクション編ともいうべき活躍。
桃倉センター長の息子さんが活躍するスキージャンプ大会のなかの惨事。皮肉にも桃倉先生自身が命の危機に遭う。
またドクターヘリがいかに扱いや判断がむずかしく速水先生の決意と行動で越川さんが辞表を出すことになるが桃倉先生は命を救われる。
また男たちと五條さんの酒飲み勝負がみられる(笑)。
最後の四部では世良先生と今中先生の未来の兆しが離島、神威島にある。
地域地方医療でなにが必要で誰に話を向けたら、というひとつの解答。
世良先生自身の生き方含めて。
神威島編はしっとりと感動させるなにかはある(涙)。久世先生と『極北クレイマー』からひと皮むけて大人になった後藤先生の存在がさりげない。
そして再び雪見市救急医療センターの伊達先生と五條さんと再会して伊達先生の過去もちらりと語られる。
なぜ、彼がフライトドクターになったのか……。
『極北ラプソディ』は『田口白鳥シリーズ』とはちがう意味で内面のアクションが詰まってると思う。救えない命もあるけどなぜ救えないのかは読んだら切実に理解すると思う。
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