桜宮サーガ雑談

『沈黙』では牧村瑞人くんは生意気ではあるけど病院の閉塞した環境に気持ちが溜まってたのもあるんだろうな

小児科はほんと献身的な治療や姿勢が求められるだろうけど看護師や医者も人間だから美談ではすまない点もある。

内山聖美という人物においては小児科に向いてないというよりは患者である子供にたいして“なにか”が欠けてるのは作品内ではたしかにある。

海堂尊先生自身の経験かどうかはわからないけど、病院内はいろいろ病院長をはじめ教授、各科のいろいろな人間関係や軋轢、協調などが患者には見えないところであるものと伝わる。

『沈黙』を読むと看護師さん達が患者である子供の看護する姿勢は尊敬に値するけどなかなか現状は理解されないのもあるんだろうな。

海堂尊先生の文章表現を読むと大人も子供も隔たりなく扱っている感じする。
『沈黙』の瑞人くん、アツシくん、ヒデマサくん、由紀さんそれぞれちがうけど海堂尊先生は作品内で田口先生にまっすぐ彼らに向き合わせているのは好感。

『沈黙』で由紀さんが愚痴外来を訪れるようになったのはまさに“天の配列”だろう。

『沈黙』は殺人ミステリーでもあるけど一方で医療小説でもある。
由紀さんは亡くなってしまうヒロインではあるけど、彼女は作品内では素直にまっすぐに書かれている
“死”に怯える怖がるのは年ごろならあたり前なこと。
『凱旋』の“生･老･病･死”と『沈黙』は表裏一体でつながってるとあらためて実感する

『沈黙』を読むと、猫田師長さんはまさに“千里眼”。
天性のものかあるいは経験から培わられたものかどうかはわかんないけど先を見通す眼があるのはたしか。
いつ仕事をしてるのかわかんない不透明さもあるけど小児科のようなところでは重宝されてるんだろうな。
『凱旋』で語られてるけど、猫田師長が浜田小夜を取ったのは小夜さんが碧翠院で“死”に携わる医療をしてたからが理由とのこと。
死者を最期まで看取るのも看護の世界には必要だった。

『沈黙』のことの顛末を考えると不幸な偶然がいくつも重なりあってる。

『沈黙』での田口先生の子供への愁訴外来または愚痴外来はある種のメンタルケアと言えるだろうな。

子供にも子供達の世界がある。とっくのむかしになってしまったけど(笑)

『沈黙』では由紀さんの存在が別格に扱われてる感じ。
田口先生が彼女に残された少ない時間のためにひとりの女性として接する姿はなかなかできるものではない。

またドラマ版放送してくれないでしょうか。

いま読んでみたいのは『極北ラプソディ』と『玉村警部補の事件簿』かな……。
いつになるやらw

手元にあるのを読み直したらまたあらためておもしろさが伝わる。

海堂尊先生は内容が深い。

おはよう。

冷えますね。12月なってから『凱旋』と『沈黙』というクリスマス関係の作品を読み直している

加納警視正もよく三日で解決すると言ったものだけど、これは後に白鳥さんも認めてることだけど初動態勢の正しさだったから大事にならなかったんだろうね。

だけど、警察側の立場からしたら病院での捜査の難しさも描写されている。
玉村警部補がなにげに深い記憶に沈んだ記憶を呼び覚ます描写も伏線になっている

初動態勢でもしマスコミに漏らしてたら『バチスタ』の時同様に、警察だけでなく東城医大も再び叩かれた可能性もあったでしょうね。
そうなったら東城医大は壊滅的打撃を受けてた可能性もあるのは否めない

海堂尊先生は書き方が的確

『沈黙』で田口先生が浜田小夜さんにケイタイ番号の紙を渡す場面を探してるけど見当たらない。
どこかで読みおとししたかな(>_<)

『凱旋』だったかな。ややこしい。
また『凱旋』を出さないと

『凱旋』で如月翔子に田口先生が電話メモを渡してたね。
『凱旋』と『沈黙』は同じ時間軸で物語が動くから人物がごっちゃになる（苦笑）
そのぶんそれぞれの人物の動きも面白いが。

『沈黙』を読むと共感覚が現実に実際あるかどうかは別にして桜宮サーガがSFしてる一面もある
水落冴子さんの歌声は深層意識にある恐怖を、浜田小夜看護師の歌声は深層意識にある思ってる人を映し出す。

共感覚、たとえとして同じ小説を読んでると物語や人物などに同じようなイメージを抱くともあるけど

声もまだまだ科学的に解明されてはないでしょうから読むたびに興味も惹かれる。

『凱旋』で如月翔子は田口先生から電話番号のメモを受け取った時どんな心境だったんだろうな(--;)
ひとりで飲んでいて淋しくなった時でもいいですか、というのは取り方によっては意味深。
女心はわからないけど(笑)
如月翔子のなかに速水先生に相手されてないというのも薄々はわかってたかもしれないよな。
ラストの顛末も含めて。

田口先生の恋愛も見てみたいものだけど。
ドラマの『螺鈿迷宮』はそのニュアンスは少しはあったから

『螺鈿迷宮』はほんともし小説のまま映像化してたら怖い描写がある。
天馬くんみたいに体調を悪くしてなくとも生の臓器やらなにやらを見せたらほんと吐いてしまうだろうな＞＜
桜宮巌雄先生はたしかに作品内では悪役だけど信念は深く感じる人物。
白鳥さんのペーパー医師なところは笑えるけど(笑)

『バチスタの栄光』でも明確に人の死を描写し『凱旋』『沈黙』では非情な救急場面もあれば『沈黙』の由紀さんのように死を覚悟した人物も海堂先生は書いている

『螺鈿迷宮』で怖いのは桜宮巌雄をはじめとする碧翠院桜宮一家の怖さもあるだろうな。
小百合、すみれ姉妹は綺麗で惹かれるところもあるけど碧翠院は人が死にすぎている言い知れぬ怖さがあらためて伝わる。

長い歴史による東城医大との確執も裏にあるから必ずしも巌雄先生たちを悪役とするわけにもいかないのもある。

『螺鈿迷宮』はドラマもだけど人の“死”を考えさせられる。

『螺鈿迷宮』はいつ読んでも怖い物語だ。
天馬くんはあやうく麻薬中毒にされかけるし巌雄先生達はなんとか東城医大を倒したいと願いながら願いかなわず逝ってしまう。
東城医大は結局は桜宮の負の遺産まで背負ってしまう。
医療には光も闇もあるというのを突きつけられた感じ。
もちろん作品内でも言われてるように官僚の作り上げたシステムがいまいろいろな弊害を生んでるのもまた事実
桜宮サーガはいくつも難しい問題を抱え提議してる

『螺鈿迷宮』はやっぱりちょっとトラウマ作品と思う。

姫宮香織のドジっぷりは笑えるけど(笑)

『極北クレイマー』は安心して読める作品
地域地方医療の問題は多々あるけど。冒頭でも地域から大学病院が無くなると地域は危機に立たされるという状況はリアルに思う。

『極北』の今中先生も田口先生同様にまじめというか素直というか。はじめはいいようにまわりから使われてしまう。

『極北クレイマー』読むと市民病院の事情が垣間見えてしまう

『極北クレイマー』は姫宮香織の存在感が圧倒的(爆)
極北病院にいろいろばっさばっさとメスを入れていく感じ。
あらためて読むと三枝先生のことについても姫宮香織は触れてたな。
この時点ではなんの問題もないけど、西園寺さやかが広崎消防士にすでに接触してるから『祝祭』の発動がすでに動いてることになる。
『極北クレイマー』の物語の顛末を考えると、誰もが加害者にも被害者にもなりうる世の中の現実を突きつけられる。

『イノセント･ゲリラの祝祭』はやっぱり霞ヶ関の戦いという感じする作品
AI導入を巡って多くの人の策略や動向が見え隠れするのも見物。

だけど、作品内でバチスタ事件や『極北クレイマー』の三枝先生逮捕事件が記事として流れるのを見ると複雑な気持ちになる。
バチスタ事件の氷室先生は黙秘を貫いてるのかどうかわからないけど精神鑑定云々とあると記されてるとさらに複雑な気持ちになる。

氷室先生は医療システムの崩壊をバチスタ事件のクライマックスで警鐘鳴らしててそれが『祝祭』では裁判やバチスタ事件の被害者の代表小倉さんという形で司法制度の問題としてもあらわれてる。

『祝祭』も細かなところを再読したらまたちがった一面ある。

海堂尊さん、来週の月曜のサスペンスオムニバスドラマでどんな作品を書かれたんだろうな

予告を見た限りは医療ものではなかったから『夢見る黄金地球儀』を短くしたようなドラマだろうかな。実に楽しみだ。

昨日のドラマSP、このミステリーがすごい！の海堂尊さんの脚本は桜宮サーガの加納警視正と玉村刑事なんだな。
ちょっと役者さんイメージが原作がちがうけど(笑)
もうちょっと加納警視正はイケメンにしてくれた方がキザっぽいのに。
けどドラマは桜宮サーガぽい雰囲気は醸し出してる感じ。