【】 2014-11-28 22:58:47 |
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(全てを言い終わってから、其でも相手の返答が変わらなかったらどうしようという思いに苛まれ、涙が溢れ落ちそうになるのを必死で堪えていて。自分は彼を力ずくで連れていくとは言ったものの、そんなもの只の脅しにしか過ぎない。自分の望まない返答が彼から返って来たとして、自分は其を受け入れられるのだろうか____。
……そして聞こえてきた彼の言葉。此方の意見に賛同してくれた様に考えられる内容に、ハッと顔を上げる。其処には此方を見つめながら憂いているように悲しげに笑っている愛しい彼が居たのだ)
……臙脂。
嗚呼。御前さんならそう言ってくれると信じちょった。
(其の言葉に再び嬉しいような悲しいような複雑な表情を浮かべ、彼の血の様な赤い瞳を見つめた。一つ、彼の名を呼んでから握り替えられた手に何時もの様な微笑みを向けて。其の目線をまた彼の顔に向けて一層柔らかく笑うのだろう)
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