猫柳 2014-10-31 22:41:03 |
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【3】
「いって…殴ることないだろ」
「…で、どうしてベランダに引っかかってたんだ?」
「また無視か!」
取り合えず家に上げてやり、一番の疑問を投げかけた。
男はうーん、と難しそうに唸ると、首を横に振りながら
「解らない、覚えてないんだ…」
「はぁ?意味解んね。つかお前何者?変質者か?」
「失礼な!僕は大天使様の第三補佐、アレン・ベレスフォード様だ」
「なんだただの厨二か」
「本当だ、嘘じゃない」
そう言うと男…アレンはすくりと立ち上がり、俺に背を向けた。
するとどうだろう、アレンの背中から真っ白な翼が生えてきた。
「な…何だよこれ…」
「翼」
「いやそれは解るけども。…つかなんであっさりカミングアウトしちまったのに、今まで翼出してなかったんだよ」
「決まっているだろう、僕が変質者と見られないためだ」
ベランダに引っかかってる時点で変質者だろう。つか俺に見せて変質者って思われないとでも思ったのかよ。
そんな疑問をそっと飲み込む、優しい俺であった。
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