猫柳 2014-10-31 22:41:03 |
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《12》
世界一の川と呼ばれるナイル川の下流域にある都市、エジプト カイロ。
この都市はアフリカ、アラブ世界で最も人口の多い都市であり、エジプト経済の中心となっている。
「東京から此処まで9580km、約14時間か…、随分と遠くに来たな。」
人気(ひとけ)のない、静まり返った街を歩きながら、ポツリと呟く。
現在時刻は午前2時。街の人々はもうみんな寝ているようだ。
やはり環境が変わると落ち着かないのもあってか、なかなか眠れなかった僕は、夜道を散歩することに決めた。
夜空を見上げてみると、沢山の星が音もなく瞬いていた。その星々はとても綺麗なもので、まるでプラネタリウムにでもいるかのような気持ちになった。
「…少し良いかい、そこの君。」
「…え?」
何処からか声が掛かる。
声のした方を見ると、先ほどまで誰もいなかった筈の僕の背後に、綺麗な金髪に凍てつくような冷たい瞳、そして透き通るように白い肌をした男の人が立っていた。
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