猫柳 2014-10-31 22:41:03 |
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《7》
辺りはもう暗くなりかけている。
花京院の家は公園から少し遠い。帰宅する頃には、きっと空は真っ暗になるだろう。普段なら疲労のせいか家への足取りはたいへん重く感じるのだが、今日の花京院の足取りはとても軽かった。
__あの人にも、承太郎くんにも見えたんだ!
もしかしたら…きっと、友達になれるかもしれない。
心から解り合える友達に…!
花京院は何とも言えない喜ばしさに、ゆるりと頬を緩めた。
…が、その喜びは嘘みたいにどん底へと沈んでいった。
自宅周辺に数台の消防車と、何十人もの人。
真っ黒で原型のなくなったお隣さんの家と、花京院宅。
たった今、家がなくなったのだ。
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