猫柳 2014-10-31 22:41:03 |
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《6》
「見え…てるの…?」
「え?うん。」
花京院はひどく驚いた。
まさか承太郎にも見えるとは思ってもいなかったし、何となく出してみただけだから余計に驚く。
「それは何なの?」
「…んー、と……幽霊、かな?」
「えっ、お化けなの? 何だか光ったメロンみたいなお化けなんだね! メロンお化けだ。」
「め、メロンなんかじゃあない!」
確かに花京院の言った“幽霊”はキラキラト輝きを放つ緑色をしており、網目模様がメロンのように見える。
だがこの“幽霊”は、花京院にとっては唯一の友達。馬鹿にされたのが悔しかったのか、今日一番の大声を張り上げた。
「…ご、ごめんね典明くん。」
「こっちこそ、言い過ぎた…、じ、じゃあまた明日ね。」
「うん、バイバイ!」
気まずい空気から逃げるように、花京院が再度足を進める。
承太郎はただ、嬉しそうにニコニコとした笑顔で大きく手を振った。
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