猫柳 2014-10-31 22:41:03 |
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《5》
それから、二人は時間を忘れて遊び尽くした。
遊ぶ といっても、子供らしくボール遊びや遊具遊び等であったが、二人は休むことを忘れ、全力で楽しんだ。
気がつけばもう5時。今は秋で日の落ちも早くなってきたため、空はもう茜色に染まっていた。
「あ…もう帰らなくちゃ。」
「そっか、そんな時間かぁ…、ねぇ、典明くん。」
「何?」
「今日楽しかったね! 典明くんも楽しそうで良かった。」
「え? あ…うん。」
楽しそうで良かった
その言葉で、花京院は先ほどまで自分が楽しんでいたことに初めて気がついた。
「じゃあ、もう帰るね。」
「典明くん、明日も遊べる?」
「……うん、遊ぼう。」
「やったぁ! じゃ、また明日ね!」
「うん、バイバイ。」
花京院は入り口の方へ、ゆっくり足を進める。
__今日は楽しかったな。あんなに楽しんだのは本当に久々だった。
…あの人にも、“こいつ”が見えれば良いのに。
試しに花京院は、“あいつ”を出してみる。
「……、典明くん、その緑の、何?」
「……え…?」
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