猫柳 2014-10-31 22:41:03 |
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《4》
次の日、承太郎は花京院よりも早く公園に来た。
「典明くんまだかな、早く来ないかなぁ。」
ウキウキと胸を弾ませる承太郎はじっとなどしておれず、ゆらゆらと左右に揺れながら、花京院の到着を待った。
時計の針は13時12分を指す。時が経つにつれ、承太郎の期待は不安へと変わっていった。
__もしかして忘れてるのかな? それとも、嫌だから来ないのかな?
それとも、事故…?
「っ、ごめんね承太郎くん、遅くなった!」
13時50分。承太郎が諦めようとしたその瞬間、一人の少年が息を切らしながら公園へと走ってきた。
花京院だ。
「典明くん! 良かった、来てくれて。じゃあ遊ぼうか!」
「あ、う、うん。」
にこりと花京院は控えめに微笑んだが、一瞬だけ顔を曇らせた。
__この人との関わりはこれっきりにしよう。
だってこの人にも、どうせ“あいつ”が見えないんだから。
無駄に仲良くなんてできない。
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