ハナミズキ 2014-10-10 16:57:40 |
通報 |
入り口の段差を上ると車の中に入り、誰も触っていないのに扉が勝手に閉まった事に、ソウレンはまず驚いた。
「戸が勝手に閉まったぞ!」
「静かにして下さい。この車はそういう造りなんです」
初めて見る、木の壁ではなく鉄の壁。
床も鉄でできている。
左手に少し進むと、今度は鉄でできた階段がある。
その階段を上ると、鈴が壁に手をかざし扉が勝手に開いた。
「おぉ~」
小さな声で驚くソウレン。
扉の中に入ると、無色の液体を渡され、手を洗えと言う。
ソウレンは素直に鈴の言う事に従い、鈴の真似をして手を消毒する。
今度は人が1人やっと通れるくらいの狭い通路を進むと、そこには沢山のベッドがあり、その1つに王妃が寝かされていた。
「母上・・・」
その声で目を覚ました王妃は、ソウレンの姿を見ると「ソウレン・・何故あなたがここに?」
そう語りかけて来た。
「母上の事が心配で、無事を確かめに来たんですよ」
「私の事なら何も心配はいらぬ。鈴先生たちが付いているからな」
そう言い、笑みを浮かべた。
王妃の無事を確認したソウレンは、王妃に沢山の管が取り付けられているのを見て、それはなんなのかと尋ねる。
「これは王妃様の心臓の状態を見る機械と、栄養を補給するための装置です」
そこに丁度、和也が検診の為に現れた。
トピック検索 |