ハナミズキ 2014-10-10 16:57:40 |
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とりあえずは温泉だ!
日頃の疲れを取り、のんびり過ごす事にする。
浴槽は広く、軽く畳15枚分ほどの物が2つ並んでいた。
外にも露天風呂があり、その縁取りは、天然の大きな岩で囲まれ、側には川も流れている。
鈴は露天風呂にゆったりと浸かり、川の流れを見ながら物思いにふける時間が大好きであった。
目を瞑れば、川のせせらぎと小鳥の声が聞こえてくる。
日差しも心地よく、のぼせた身体には丁度良い風も吹いてくる。
言う気は無くても、つい口から出てしまった。
「極楽、極楽~♪」
調子に乗って、1時間余りも露天風呂に使っていた鈴は、湯あたりをしてのぼせてしまった。
フラフラしながら歩いていると、和也と出会うのだった。
「おまえ・・・またのぼせたな・・・」
実家に居た時も、鈴はたまに長湯をしすぎてのぼせる事があったので、和也は『またか』と言う思いであった。
「えへへ・・そうみたい・・・」
のぼせているせいで思考回路が定まっていない鈴は、にへらと笑い真っ赤な顔をしていた。
和也は慣れたもので、鈴を抱え部屋に連れて行く。
「1人で歩けるわよ・・・」
「そんな気味悪い顔でそこら辺歩かれたら人様の迷惑だ」
そう言われた鈴は返す言葉もない。
部屋に運ばれ、床の上に寝かせられると、和也は呆れ顔で鈴をうちわで扇いでくれる。
「おまえってさ、頭は良いくせにこういう所は学習能力無いよな・・・」
「・・・・・・・・ごめん。」
その様子を隠れて見ていたミャルは、今度は自分もその手で和也に介抱してもらおうと考えていたのだった。
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