ハナミズキ 2014-10-10 16:57:40 |
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素材を確認するために手で触ってみると、吊るされている安い物は麻で出来ているようだ。
これは着心地がゴワゴワして悪そうだ。
綿やポリエステルに慣れ親しんでしまった体には、麻は擦れて痛い。
しかたが無いので、少し値は張るが、綿か絹で作ってもらう事にした。
「どうせなら絹にしようぜ」
「でも、絹って貴族が着てるものじゃない?」
「そうだよね。それに絹は動きやすいかもしれないけど、発汗性が悪いよ?和也君」
3人はどの生地で作ろうか議論していると、そこへ店の主人が出てきて、どんな物を探しているのか尋ねてきた。
「動きやすく発汗性が良いやつはありますか?」
「あっ、それと、肌触りが優しい物ね」
店の主人が勧めて来た物は、綿の生地ではあったが、綿にも種類があり、上質な綿で作った生地を見せられた。
3人は早速手で触り、その感触を確かめるのだった。
「これなら違和感はなさそうね」
「「そうだな(そうだね)」」
その生地を使い、洗濯をした時の着替え用に2着作る事にし、身体の寸法を測ってもらい、前金として代金の半額である1銀と200元を払う。
出来上がるのが1週間後と言うので、3人はまた、1週間の足止めを食らってしまう。
「さ~てとっ・・・ここに1週間と言う事は~・・・稼がなきゃね♪」
鈴がどことなく楽しそうに言い出す。
「あぁ、ここならお前のカモになりそうな客が大勢いそうだしな」
和也もいたずらっ子のような笑顔を浮かべ、鈴をからかう様に言う。
「ひっど~い!それじゃまるで、私が詐欺師みたいな言い方じゃない!?」
「あんまり変わらないと思うがな」
和也は口角を上げて、にやりと微笑むのだった。
「なら僕たちも頑張ってカモを探さなきゃね!♪」
圭太まで悪乗りをしてくる。
「もぅ・・・みんなして・・・・」
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