ハナミズキ 2014-10-10 16:57:40 |
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もうお金の心配はいらない。
何故なら、この時代に来た当初に、荒稼ぎをしたからだ。
しかし・・・何故か先ほどの民衆が3人の後を付いて歩いてくる。
これは一体どういうことなのだろうか。
鈴達はチラチラと後ろを見るが、一定の距離を保ちながら、やはりまだついて来ていた。
「ねぇ、あの人たち、私たちに何か用事でもあるのかしらね?」
「さぁな」
和也がそっけなく答える。
「僕、聞いてみようか?」
そう言って圭太が後ろを振り返り声を掛けた。
「あの~、僕たちに何か用ですか?」
声を掛けられビックリしていたみたいだが、その中の一人がオズオズと前に出てき、質問に答える。
「あんた達はいったい何者なんだ?」
「僕たちは西の方から来た医者です」
医者と聞いた人々は「おおぉ~」と歓喜の声を上げ始めた。
何故そんなに医者と言う言葉に驚くのか、逆に聞いてみた。
「医者って、そんなに珍しいですか?」
「いえね。そう言う訳じゃないんですがね、ここら辺の医者は皆、どこかの貴族の
お抱え医者になってましてね、私どもの様な者は、気軽には診ては貰えないので
すよ」
「そう言う事でしたか。それなら明日にでも皆さんを診療しますよ?」
そう言うと人々は喜び、急に親しげに話しかけて来た。
「これからどちらに行くんです?」
「お腹が空いたので食事でもしようかと」
「それならいい店を知ってますよ。ご案内します」
そう言われて連れていかれた店は、繁華街の入り口付近にある小さな食堂だった。
出てくる物は、今まで通って来た道筋に在った食べ物屋の物と大した変りは無かったが、それなりに美味しい物が出て来た。
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