ハナミズキ 2014-10-10 16:57:40 |
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その頃ソウレンの所では、何やら親密な話が進んでいた。
「本当にやってしまうんですか?」
武官の顔に戸惑いが隠せない。
「これは命令だ。どんな手を使ったもかまわん。和也を殺せ」
とうとう嫉妬に狂ったソウレンがとんでもない事を言い出した。
「だが、鈴には傷一つ付けるな。
もし、怪我などさせたら、その時は、貴様の首が胴と繋がってるとは思うなよ」
そう付け加えたのだった。
「それでは、王都に戻る道中で葬ればよいのですね」
「そうだ。鈴には悟られないようにしろ」
ソウレンは、思いを達成するためには手段を選ばないようだ。
武官たちは、今まで国の為、人々のために働いて来た二人の事を知っていた。
時には流行病から国を救い、また、王妃の命さえも救った二人だ。
そんな二人を手にかけるのは、なんとも言い難い心境だった。
しかし、皇子の命令となれば従うしかない。
命令に背けば自分の命が無くなる。
やるしかなかったのだった。
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