ハナミズキ 2014-10-10 16:57:40 |
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◆ 旅立ち ◆
仕事がひと段落した鈴と和也は、その晩、車内で2人、お疲れ様と言う意味での打ち上げをした。
大きな仕事をした後には、必ずと言ってもいいほどやる、飲み会だ。
現代から持って来ていたワインを開け、それを飲み深い眠りにつく。
この1週間、殆ど睡眠を取っていなかった2人は、ぐっすりと深い眠りについた。
気が付くと、鈴の顔には、窓のカーテンの隙間から差し込む朝日が注がれている。
明るさを感じ、重い瞼を開けると、鈴の目の前には和也の顔があった。
『あっ・・そっか・・昨日あのまま寝ちゃったんだ・・・』
鈴は、朝日に照らされている和也の柔らかそうな髪を見つめ、昨日の事を少し思い出してしまった。
思い出すと恥ずかしさが込み上げてき、顔を赤くさせる。
鈴の熱い視線に気が付いたのか、和也も目を覚まし、「・・・起きてたのか」少しかすれた声で言った。
その声が耳元近くだったので、鈴の顔は益々赤くなる。
しかし、いつまでも昨日の余韻に浸っている2人ではない。
やる事はやる主義だ。
いつもの様に身支度を整えると、王都に帰る準備をしはじめる。
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