ハナミズキ 2014-10-10 16:57:40 |
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そんなソウレンの事は放って置き、2人はせっせと患者の容態を診たり、お腹を空かせている人にはご飯を食べさせたりと大忙しだ。
ソウレンは付いて来た供に「手伝え!」と言い手伝わせるが、ソウレン自身は口だけを動かしている。
忙しくあちこち歩いて回ってる者達に取っては、ソウレンは邪魔でしょうがない。
だが、一国の皇子であるソウレンに、そのような事など言えるはずもなく、ソウレンにぶつからない様に動くのであった。
そしてとうとう鈴に言われてしまった。
「邪魔!」
キョトンとするソウレン。
それをさらに追い打ちをかけるように、鈴の怒号が飛ぶ。
「そんな所で突っ立ってるだけなら何処かに行って!
邪魔なのよ!迷惑なの!!」
『邪魔』とか『迷惑』とかの言葉など、生まれて初めて言われたソウレンは、ショックを受けた。
しかし周りを見ると、みな忙しそうに動いている。
自分は、ただ命令しているだけだったと言う事に、初めて気が付いたのだ。
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