ハナミズキ 2014-10-10 16:57:40 |
通報 |
ソファーで眠る鈴。
その向かい側の椅子に座り本を読む和也。
ゆったりとした時間が流れ、和也は時折、本から目を離し鈴の方を見ながら、このひと時の幸せをかみしめるのであった。
しかし、その幸せも長くは続かなかった。
急にインターホンが鳴り、映し出された画面にはソウレンが映っている。
「何か御用ですか」
ぶっきらぼうに和也は言う。
「お前には用は無い。鈴は居るか」
「鈴なら今は休んでますが、急用でないなら伝えておきますよ」
「急用ではないが、鈴に直接話したい事がある」
その様なやり取りをしていると、寝ていた鈴が起きた。
「ぅんん・・・・」
大きな伸びを1つすると「どうしたの?お客様?」
眠い目を擦りながら和也に尋ねる。
その仕草がなんとも可愛らしく、和也の顔には自然と笑みが浮かんだ。
「ソウレンがお前に話があるそうだ」
鈴は、何の話なのかと下まで降りて行き、車のドアを開けるとそこにソウレンが供を連れて立っていた。
しかし、ドアが開いた瞬間、ソウレンと供の3人は驚きの表情をしていた。
それもそのはずだ、鈴の格好は露出度の高い現代の服なのだから。
「す、鈴。そなた、客を迎えるなら服を着てから迎えろ」
この様な薄着の姿など、この時代では下着同然だったので、ソウレンは慌てた。
「服なら着てるわよ。話しって何?」
鈴のあられもない姿を、供に見せたくなかったソウレンは、「ここではなんだから、中に入れてはもらえんか」と言う。
鈴も暑い外より涼しい中の方が良いので、ソウレンを中に入れ1階の通路にある椅子に腰かけ、話しを聞く事にした。
トピック検索 |