ハナミズキ 2014-10-10 16:57:40 |
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最近ソウレンの様子がおかしいと、お付きの内管から告げられた王様が、ソウレンの様子を見に離れ屋にやって来た。
「ソウレン、何か悩み事でもあるのか」
「・・・実は・・、鈴の事なんですが」
「あの者がどかしたのか」
「はい、私の側室に迎えたいと存じます」
「・・・・・・・・」
王様は、『それは無理だろ・・』と思ったが、あえて何も言わず、ソウレンの思いを聞いている。
「鈴は聡明な女人で芯もしっかりしています。
宮中の女人とはどこか違うのです。」
興奮しながら言い、頬を高揚させていた。
王様も、もし鈴がソウレンの側室になってくれたのなら、この国は安泰だと考えていたので、反対はしなかった。
そかし、ソウレンの手に負えるような女性ではないと言う事も分かっていた。
だがソウレンは、王様が何も言わないと言う事は、賛成をしてくれたものだと思い、早速鈴に会いに行く事にする。
意気揚々と王宮を後にし、鈴の元へ向かうソウレンに、王様は肝心な事を言い忘れていたのだった。
『あっ。鈴に無理強いをすると、意識を失うほどの大怪我をするぞ
と言うのを忘れておったわ・・・』
約1年前、主治医率いる暗殺集団を一網打尽になぎ倒し、倒された者達はみな、ろっ骨を骨折していた。
下手に手を出せばソウレンもやられるかもしれない。
しかし王様は、『あの者の事だ。命までは取らぬだろ』と、軽く受け流してしまったのだった。
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