ハナミズキ 2014-10-10 16:57:40 |
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◆ 手に入る者・入らない者 ◆
この時代に来て、もう直ぐ1年が経とうとしている8月。
今年の夏は猛暑でかなり暑い。
この時代の着物を着慣れている人なら、そんなに辛くはないのだろうが、現代の薄着に慣れ、ましてやエアコンの生活に慣れてしまっている鈴と和也には少々きついものがある。
地面を照りつける日差しが、高層ビルなどの様に遮るものが無く、直接体に注がれる。
外に出るのが辛い・・・。
家の中に居ても、昔の造りなので風邪通しが物凄く悪い。
各部屋に窓が1つという造りなのだ。
茅葺の屋根も熱がこもり蒸し風呂の中に入っている様だ。
「・・・・・暑い・・。」
ここ数日、鈴の口から出る言葉で一番多い単語がこれだった。
「鈴先生って、本当に暑さに弱いんですね」
シュンイが笑いながら鈴をからかう。
「もうダメ・・・溶けて死んじゃうぅぅぅぅぅぅ」
鈴は暑さの限界に達していた。
すると、往診から戻って来た和也格好を見ると、なんと、TシャツにGパンではないか!
「ずるい!和也だけ涼しい格好して!
私も着替える!!」
そう言って部屋を飛び出して行ってしまった。
往診から帰って来た和也とバジルは、何がどうなったのか分からずシュンイに聞くが、シュンイも急に飛び出していった理由が分からなかった。
数分後、鈴が診察室に戻って来ると、和也以外の人が、目玉が飛び出すほど驚いたのだった。
それもそのはずだ。
現代で暮らしていたのなら普通の格好なのだが、この時代では裸同然の格好をしていたからだ。
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