ハナミズキ 2014-10-01 16:30:45 |
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家に帰ると、和也がムッとした顔でリビングのソファーに座っている。
「おぃ。八代教授は呼んでないって言ってたぞ」
「あのね・・・あの場はああでも言わなきゃ、あなた、あそこから帰れなかったわよ?
お礼こそ言われても、怒られる筋合いはないと思うんだけど?」
そう言われればそうかと思った和也だったが、なんか癪に障る。
「もうちょっと違う言い方が無かったのかよ。
全くこれだから女ってやつは・・・」
「普通は分かると思うけどね~。
鈍くなければの話しだけど。」
二人の目と目の間には、火花が飛び交う。
差し詰め、蛇とマングースの睨み合いの様な光景である。
そこへ台所から母親が現れ
「お帰りなさい、鈴。美味しそうなロールケーキを買って来たのよ。食べましょう♪」
空気が読めないのか意図的なのか、母親はケーキを食べながら二人に学校の事を聞いてきた。
「二人とも学校はどう?友達とかはできたの?」
「私は出来たわよ。ママ」
「僕も知り合い程度にはできました」
鈴は楽しそうに話し、和也は淡々と質問に答えていた。
そうして大学生活は幕を開けたのだった。
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