ハナミズキ 2014-10-01 16:30:45 |
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入学式も済み、しばらくすると、新歓コンパがある。
部活や同好会の、新入生勧誘儀式の様なものだ。
美人のあいに、群がるように男子達がやって来て、自分の所に入ってくれと言い寄って来る。
まるでお菓子の欠片に群がるアリの様だ。
だが、もう一つアリの山が見えた。
それは和也に群がる女子の先輩たちだった。
その様子を遠目に見ていた鈴が「フッ」と鼻で笑う様に笑ってしまった。
あんな風にもみくちゃにされている和也を見るのが初めてだったからだ。
鈴は軽く溜息を1つ付くと、和也の元に向かって近づいて行き。
「和也~。八代教授が探してたわよ~」
「教授が!?分かった直ぐ行ってみる。みなさん、すいません。
用事が出来たので失礼します」
そう言って足早に消えていった。
「あれ?私達いつ八代教授に会ったっけ?」
青華が不思議そうに聞いてきた。
「あぁ、あれね。嘘よ」
ペロッと舌を出しながら笑って見せる鈴だった。
「ええぇぇ!?嘘だったの!?」
「だって、ああでも言わない限り、あの場から脱出できそうもなかったじゃない」
青華は、「なるほど」と言う様な顔をして微かに笑った。
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