ハナミズキ 2014-10-01 16:30:45 |
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切り離す時に、少しでも傷をつければ破裂をして、そこから膿が出てしまい、患者の命に係わるのだ。
グズグズはしていられない。
鈴は思い切って声を掛けた。
「あの、私がやります。佐々木先生はそこをどいてください」
「何を言ってるんだ君は!君みたいな学生が出来るわけがないだろ!!」
怒涛のごとく怒り出す。
「八代先生を待ってる時間なんてないんです。
さっさと切っちゃわないと、命に係わるんですよ?!
いいからそこをどいてください!邪魔です!」
邪魔と言われ気分を害した佐々木先生は、やれるものならやってみろ、と言う思いから、鈴に場所を譲った。
その一方で、看護師に八代先生を呼んで来いと言う。
そして助手をしていた研修医も、佐々木先生の気分を害さないように、一歩後ろに下がるのだった。
「和也、圭太、青華。助手お願い」
「「えっ?!」」
圭太と青華が驚いた声を出した。
ただ一人、和也だけは平然として
「OK。で、俺は何をすればいいんだ?」
「和也は第一助手をやって」
「了解」
「二人は反対側に回って、視野を確保」
「「は、はい!」」
そうして、和也・圭太・青華の3人は、初めて鈴の手術を間近で見る事になった。
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