ハナミズキ 2014-10-01 16:30:45 |
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◆ 大学生 ◆
入学をして1週間が経ったが、この医学部と言う所は、個人主義の人が多いのだろうか。
グループになってつるんでいると言う光景が殆ど見られない。
みな本を読み、予習なのか復習なのか分からないが、何かを勉強している様だ。
その中でもたまに、クラスメイトとお喋りをしている者もいるが、その数は限られている。
そして鈴はと言うと、また和也と同じクラスになっていた。
学校が同じ。
クラスも同じ。
あげくの果てには、家まで同じときている。
それでも、和也と鈴の関係が、今までとは少し違ってきていた。
鈴の秘密を知った和也は、もう鈴の事をバカにしたり毛嫌いをしたりはしていない。
それどころか、いいライバルだと認識をしたようだ。
1年間日本で生活をして来た鈴は、今では普通に会話や行動をする事が出来るようになり、もう、和也に迷惑をかける心配がない。
高校在学中にはできなかった友達も、この1週間で出来たのだ。
この医学部と言う所は、圧倒的に女子が少ない。
医学部全体でも20人を切る。
鈴達のクラスでも5人程しかいなかった。
必然的に、その5人はグループを作る事になるが、将来は医者になろうと思うほどの才女達だ、個性が強くないわけがない。
どの女子達も、高校時代はトップクラスの成績を収めていたのだが、全国各地から集まったこの学部では、平凡な成績でしかない。
いままで、人を見下す事はあっても、見下される事はなかった。
ところが今は、自分より頭の良い人達が周りには沢山いる。
どうもそれが、彼女たちのプライドを傷つけたようだ。
初めは5人のグループだったが、直ぐに分裂をして2:3のグループが出来上がった。
鈴は自分を含め、3人のグループに属する事となる。
その友達の名は、「小泉 あい」と「五十嵐 青華(はるか)」と言う。
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