茫然としていると、廊下から足音と一緒に声が聞こえた。「桜井さん! 桜井さん!」やがて部屋の入口にいつもの看護師が姿を現した。「また勝手に病室を抜け出して・・・こんなところで何をやっていたの?」「あ・・・その・・・」上手く答えられないでいるうちに手を取られる。「病室に帰るよ。まったくもう~、うなされて起きることがなくなったと思ったら、こうなんだから」看護師は呆れた様子で続け。