雲 2014-08-18 15:57:06 |
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しかたがないので、薬箱から頭痛薬を出して飲み、その日は早々と寝る事にした。
頭痛のせいでなかなか寝付けなかったが、そのうち痛みが消えた。
やっと薬が効いてきたのかと思っていたら、何か様子がおかしい。
暗闇の中で私が寝ている姿が見える。
辺りをよく見ると、私は天井近くに浮かんでいた。
そして、下の方には、私の体が布団の中で眠っている。
これはもしかして・・・・幽体離脱?
『ちょっと!幽体離脱って、長い時間身体を離れてたら死んじゃうんじゃ
なかったっけ!?』
そう思った私は、慌てて自分の体に戻ろうとしたけど、何回やっても弾かれてしまう。
『・・・どうしよう。。。』
途方に暮れていると、白い光が現れ、その白い光の中から知らないお爺さんが現れた。
『何をしとる。お前さんは死んだんじゃ。早く儂の所に来なさい』
『嫌です。まだ死にたくありません。どうか元の体に戻してください』
私はそのお爺さんに頼んだ。
するとお爺さんは、何やら手帳を取りだして読み始めた。
『こりゃ儂としたことが間違ったわい』
『へっ?』
間違ったと言われ、思わず間抜けな声を出してしまった。
『死亡予定は、隣の家の「チヨ」さんじゃったわい。すまんすまん』
「すまん」と言われても、一度死んでしまった者をどうする気なのかと尋ねると、
『お前さんは、自分の人生に疑問を持っているようじゃな。
ならば、サプライズじゃ。
時間を戻し、過去に戻り人生をやり直すか?
この場合、今までの記憶も全部気謂えてしまうがのぅ』
私は考えていた。
どうするべきなのかと。
『それともう一つ、今の時代で、身体だけ若返らせるか?
この場合は、今までの記憶は全部残っておる』
『 !!!!!! 』
答えは決まった。
後者だ。
『身体だけ若返らせて下さい』
即答だった。
夢にまで見た若返りのチャンスを手に入れたのだ。
一度死んでみるのも悪くないかも・・・とさえ思ったのだ。
お爺さんに手渡された、変な色の薬を一気に飲み干すと、徐々に眠くなり、深い眠りに落ちてしまった。
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