九苑/ 最初に声を掛けてきた者と月を愛でようと思ってな。それがお前よ。今宵はお前が付き合え。 (声のする方を向けば上階の窓に凭れかかる麗しき銀狐の姿。美しい月人だからか月の光に輝くように見える者との戯れは至福で。先ほどの願掛けにも似た賭けに導かれた相手に、立ち止まって手土産の箱を掲げて見せては月夜の宴の相手になるよう誘ってみせて)