俺 2014-05-20 00:13:01 |
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_..久しぶりだね、疾風。
( ギィ、と軋む音と開かれる扉。扉の凹凸部分には埃が積もり、己が歩く度に舞い上がる埃が窓から差し込む光に照らされる。長年誰一人と訪れなかったのだろうと、罪悪感と虚無感に胸を締め付けられ下唇を噛んだ。)
俺が来れなくなってからも、疾風はずっと待っていてくれたんだね。本当にごめん。
__俺ね、寂しくなっちゃったんだ。
1ヶ月来れなくなるって言ったのも、結局そのまま姿を消したのも、疾風に会いたいのに今更どんな顔をして会えばいいのか分からなくてずっと顔を出さなかったのも、全部俺なのに。我儘だよな、ごめん。
( へら、と眉を下げて力なく笑う彼の口許は引き攣っていて。泳ぐ目にそわそわと落ち着かない手遊び。全て自分の我儘でもう会えなくてもしょうがないと感じ乍も、疾風の姿を探すように、そこにいるかのように声をかける。)
ごめん、本当に。ずっと会いたかった。
今更何言ってるんだって思うよな、もう5年も経ってるのに。
でも...、もし、もし疾風がまだここにいてこの場所を見つけて、まだ俺と会ってくれる気持ちがあるなら、声をかけてくれると嬉しい。
今度は俺が待つ番だから。
何日でも、何週間でも、何ヶ月でも何年でも..っ、俺は待つよ。
疾風、俺は疾風が好きだよ。
また会いたい。
____..、それだけ。
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