豆 2014-01-06 15:13:58 |
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(少し距離をあけた相手から漂うシャンプーかボディーソープの爽やかな石鹸の香りは鼻腔を擽り、その良い香りに一度誤魔化すように鼻を啜り。目覚めた際に見つけた枕元にあったスマートフォンに手を伸ばし手繰り寄せると傷だらけの表面をぼんやりと眺め。相手の物が此処にある筈無い為、己の物であろうが相変らず記憶にない物であり小さく肩を落とす。呼び掛けるような声に顔を上げるも唐突且つ当然の問いに喉を引き攣らせたような不自然なか細い呼吸音を漏らし。どくどくと早鐘を打つ鼓動に動揺を隠し切れず目線を泳がせてはまた顔を伏せ垂れ下がる長い横髪を落ち着きなく耳に掛け自身を落ち着かせるようにまた毛布を強く握り締め吃りながらも正直な言葉を紡ぎ。)
お、ッ…おれ、…俺…っわから、ない。…ぜんぶ、なにも…
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