【 ｶｹﾞﾌﾟﾛ 】　ヒビヒヨ　【 nl 】

　... おっそ。てかそれちゃんと入れなよ。鬱陶しい。　(　急に聞こえた声にゆっくりと振り向く。きっと、感情なんて無いような表情で。でも直ぐにいつもみたいに、ﾋﾋﾞﾔを冷たいような蔑むような視線で睨んだ。何と無く、ﾋﾋﾞﾔには気づかれたくなかった。弱い私なんか、私じゃない。見せたくない。ふと、ﾋﾋﾞﾔのﾗﾝﾄﾞｾﾙから教材が出ているのが見えた。呆れた様に息を一つ吐けばそれを指差していつもみたいに悪態を吐く。私の、悪い癖。ﾋﾋﾞﾔの下手糞な笑顔に内心安堵しながら傘を開く。片手で傘を持てば何もない方の左手を出して 「 ほら、早く帰んないと。お祭り、終わっちゃうでしょ。 」 なんて言いながら、僅かに、でも確かに笑う。いつもの小馬鹿にしたような嫌味ったらしい笑みだけど。―..浴衣を着るほどのお祭りなんだろうか。着て行った方がいいのかな。あとでﾋﾋﾞﾔに訊いてみよう。嗚呼あとわたあめとか無いだろうか。何処かで楽しみにしている自分を、私は特に否定する事なく、何をしようかと上機嫌に考えた。　)

　(　/ わあああ、それは大変ですね ..。orz、　)

うぇ…!?、あ、御免。(会って直ぐに言われた暴言に思わず変な声を出してしまうが咄嗟に直ぐに謝り。教材を詰め込めば後ろから来るﾋﾖﾘの冷ややかな視線。いや、蔑むと言った方が良いのだろうか。とりあえず嫌な視線が来て。適当に詰め込めば丁度ﾋﾖﾘが傘を開いた所のようですくりと立ち上がればﾋﾖﾘから差し出される手、掴んで良いのかと躊躇うも優柔不断は駄目だ。と決めて掴めば「そうだね……!」なんて、お祭りなんて言ってみたけど実際は僕が小さい頃に2回位しか行ったことしかないお祭りなんだよね…。でも大分広かったから大丈夫!!!うん。屋台もいっぱいあったような気がするし…、そこまで無事に着くかは分からないけど。流石にこのままの格好で祭りに行ったらﾋﾖﾘに変な眼で見られて別行動になるかもしれないから……Tｼｬﾂにｶｰｺﾞで……、って今とそこまで変わらない!!、嗚呼服装は後回しにしてお金のことを考えよう…なんて

(/雨に濡れた後ｼｬﾜｰに入ると痛いですよ!!←、)

　.. 嫌なら無理に繋がなくていいのに。　(　少し躊躇しながら私の手を掴むﾋﾋﾞﾔ。何か、それがちょっとだけ嫌で、少し棘のある言い方をしてしまった。つん、とそっぽを向いて、まるで拗ねた子供のような態度。本当、生意気で可愛くないと自分でも思う。また頭の中でぐちゃぐちゃと嫌な音を立ててﾏｲﾅｽ思考に陥る。 ... こんなんじゃ駄目だ。ぶるぶる、と首を左右に振ればきっと顔を上げてﾋﾋﾞﾔの方を向く。 「 ねぇ、浴衣とかの方がいいの?、 」 とゆるりと、小首を傾げて問う。雨が上がったとしても地面がべちゃべちゃだろうから、下駄はちょっと厳しいなぁ。ゆるゆるとそんな事に思考を巡らせてﾋﾋﾞﾔの返答を待つ。そうだ、此処でｸﾗｽﾒｲﾄなんかに逢ったらどうしよう。漫画とかみたいに次の日学校で鬱陶しいくらいｳｻﾞい冷やかしを受けなければいけないのだろうか。その風景を心中で想像してみると、何故か頭痛がしてきた。..ばれないようにしよう。私は一人でそう心強く決めた。　)

　(　/ すいませんそれはちょっと共感できないです。←　)

えっ!?ぜ、全然嫌じゃ…嫌じゃないです!!(ﾋﾖﾘのそっぽを向く行動に思わずｷｭﾝとするもよくよく言葉を聞けば自分が手を繋ぐことに躊躇したのがいけないのだと気づくと一生懸命前記を述べて、自分でも分かる位引き吊った笑みを浮かべていて。ﾋﾖﾘの問いに一瞬顔を強ばらせるも直ぐにいつもの引き吊った笑みになれば「あ、べ、別にどっちでも良いよ。僕的には着てくれる方が嬉しいかな……!!、な、なんて」思わず本音を口走りそうになるが下手くそなﾌｫﾛｰを付け足して何だか今日はツイていたり、ツイてなかったり散々だなぁ…。一人ﾋﾖﾘと傘に入りながら思えば全然待ち合わせ場所等を決めていないことに気付き「あ、待ち合わせはﾊﾞｽ停でどうかな…?時間はﾋﾖﾘが決めて、」咄嗟に口を開けば待ち合わせ場所はﾊﾞｽ停と口走り口を手で押さえるもそこは意外にもﾋﾖﾘと僕距離はほぼ同じ位だから良かったと思いながら口から手を離せば

(/うわぁ…!!遅れてすみません!、ﾋﾖﾘちゃんにﾃﾞﾚﾃﾞﾚなﾋﾋﾞﾔ君←)

　何そんな焦ってんの?、ｷﾓいんですけど。 ..ほら、行くよ。　(　必死に言葉を紡いで不器用に笑うﾋﾋﾞﾔを睨みつけて冷たい声で罵倒。.. した後、ﾋﾋﾞﾔの手を引いて私の傘に入れて、歩き出す。少し小降りになってきたなぁ。視線だけを上げて、表情も無しにぼんやりと考える。夏、... 夏だなぁ。夏休みになったら、ｺﾉﾊさんに逢いに行きたい。ﾋﾋﾞﾔも一緒に。 ..... あれ?、何でﾋﾋﾞﾔ?、一人でも良くない?、自分でもよく分からなくなってきて、きょとりと首を傾げればﾋﾋﾞﾔの声が聞こえた。浴衣がいいのか。.. 面倒だな。 「 じゃあ着てこよっかな。 」 とぽつり、小さく呟く。別に、私もどっちでもいいし。くるくると傘を手で回しながらﾋﾋﾞﾔの話に耳を傾ける。 「 時間- ..?、6時くらいでいいんじゃない?、 」 学校を出たのが16時くらいだったから、家に着くのが30分だとして、準備に1時間ほど。十分な時間だろう。ﾊﾞｽ停までならそう遠くもない。駄目かな。なんて問うようにﾋﾋﾞﾔの方に顔を向けて、こてりと首を傾けて。　)

　(　/ ﾂﾝﾂﾝなﾋﾖﾘちゃん。←　可愛くないﾋﾖﾘちゃんすいません .. !　)

うぁ” ……御免。(ﾋﾖﾘの自分に対しての罵倒が随分と僕にのしかかったのか変な声を出してしまうが直ぐに何事も無かったかのような顔をして「あ、うん…!!!」とﾋﾖﾘに握られている手は熱を持ちながらも僕自身で歩き出せばまだ梅雨なのにこんなに暑いのは久しぶりだな。何だか『暑さ』っていうのは嫌なことを忘れると同時に嫌なことを思い出すんだよな。そう、誰かが×××とかの大切なことも忘れてしまいたいのに思い出してしまうー…嗚呼本当『夏』は嫌いだなぁ…。一つ溜め息を吐けばﾋﾖﾘから聞こえる呟き最初の方は聞こえなかったけどこれだけはちゃんと聞こえた「着ていこっかな。」まさかと思いﾋﾖﾘの顔を見ればいつも通りの澄ました顔。しばしﾋﾖﾘを見ていても特に何にも無し、聞き間違いではないことは確かだけど確認取りたいななんて考えていればﾋﾖﾘから聞こえてくる声、「りょ、了解!、6時に集合ね…」と言えば集合と言ったことを訂正したい。僕とﾋﾖﾘ、2人しか居ないのに集合とはｰ……馬鹿馬鹿しいなんてまたﾋﾖﾘに言われそうだな

(/ｶｹﾞﾛｳﾙｰﾌﾟ要素を少し入れてみた←)

　.. 楽しみ。　(　口を破って消え入るような声で吐き出された言葉。ﾋﾋﾞﾔに届いているなんて私は考えてなくて、只々期待で胸が満ち溢れた。早く6時にならないだろうか。10分前集合は常識だよね。浴衣は去年のだけどお気に入りだからいっか。そんな感じで、好きな男子とﾃﾞｰﾄに行く女の子みたいな思考を巡らす。そこでふと気付く。私はﾋﾋﾞﾔと行くのが楽しみなんだろうか。確かにｺﾉﾊさんなら凄く楽しみだっただろう。当たり前の事だ。でも、.. 「 何でﾋﾋﾞﾔ?、 」 。.. あ、やばい言葉が口をまた突き破って当の本人の前で言ってしまった。口を塞ごうにも塞げない。ﾋﾋﾞﾔの手を握っている手に自然を力が入る。此処は敢えてしらけた顔でﾋﾋﾞﾔを一瞥。ゆっくりと隣のﾋﾋﾞﾔの方に顔を向けて。　)

　　(　/ 敢えてﾌﾗｸﾞを立たせました。←　)

.. あ。(ほぼ沈黙と言っていい位の少ない会話でも時は経つ。目の前にはﾊﾊﾞｽ停が見えてきた。思わず声を漏らすもそれと同時に聞こえたﾋﾖﾘの呟き。ﾋﾖﾘに顔を見られないよう下を向けば小さく「僕もだよ…」と言う。嗚呼今の僕の顔。真っ赤じゃないだろうか。しかもﾊﾞｽの運転手さんにこの顔を見られるとなると… 胃がｷﾘｷﾘと痛んだ。なんとなくﾋﾖﾘを見て、その後空を見上げる。見ると雨は少し降っているがほぼ、止んでいて。手を前に差し出し雨が当たるのを実感すると、これくらいなら大丈夫かな。なんて思っては表情に出ていたようで顔がにやけていて。いや別に何にも考えてないからね。本当に『これくらいなら大丈夫かな。』しか思ってないからね。嘘っぽいとか言うなよ？うん。するともう一度ﾋﾖﾘを見ようとした時。丁度運が良いのか悪いのかﾋﾖﾘの呟きが聞こえ。もしかしてﾋﾖﾘは僕のことが嫌いなんじゃないか。という考えが頭に浮かぶ。『自己満』という言葉が頭に浮かべば頭の中でﾋﾟｮﾝﾋﾟｮﾝと跳ね回る。丁度頬の横位に来たとき「僕の馬鹿!」という掛け声と共に頬を叩く。そしてﾋﾖﾘの方を向き直れば「べ、別に僕じゃなくても…」とﾄﾞﾝﾄﾞﾝ小さくなる声で言えば消え入りそうな声で、ﾋﾖﾘの周りの男子とでも良いし…と言い。ふと空を見上げれば雨は止んでいた。

(/忙しいﾋﾋﾞﾔ君←)

　... 何が?、　(　きょとり、と目を丸くしてﾋﾋﾞﾔの方を見る。あれ、さっき私何て言ったんだろう。思い出そうとするも思い出せず、一人う-ん、と唸りながら首を捻って。そして何で此奴の顔は真っ赤なんだ。 「 熱でもあるの?、 」 一旦脚を止めれば手を離し、ﾋﾋﾞﾔの頬にそっとそれを添えて。..え、あっつ。何これあっつ。雨にやられた?、どうしよう。わあわあと一人ﾊﾟﾆｯｸ状態。私の所為なのか。きっとそうなんだろう。じんわりと視界が滲むのを感じれば俯いて 「 ..... 御免、 」 と謝罪。私の所為なんだし謝罪くらいしないと。... この後私はとんでもなく恥を掻く事になるんだけどね。　ふとﾋﾋﾞﾔを見ればにやにや、と気持ち悪い位に顔が弛緩している。気持ち悪い位に ( 大事な事なので2回言いました ) 。然しすぐに自分を卑下しながら頬を叩くﾋﾋﾞﾔ。何なんだ此奴は。..ﾄﾞM?、若干引きつつもちゃんと耳に入ったﾋﾋﾞﾔの言葉。眼を見開いてﾋﾋﾞﾔの方を見れば 「 何であんた意外と行かなきゃいけないわけ?、馬鹿じゃないの?、 」 と棘のある言い方をして。雨が止んでるのにも気づかなかった私はﾋﾟﾝｸの傘にﾋﾋﾞﾔを私を入れて、ﾊﾞｽ停の前で立ち止まっていた。 )

　　(　/ 困惑しているﾋﾖﾘちゃん。←　)

え、うん。何でもない…よ、ｱﾊﾊ(ﾋﾖﾘの言葉に驚くもﾋﾖﾘが自分の言った事を覚えていないのだと何となく感じとると前記と今までで一番の苦笑い、というか笑えていない笑顔を見せて。とその時にﾋﾖﾘから延びてくる手に紅い頬をさらに紅くし。何も出来ずに他界に行っていれば突如現実につれ戻される。「いや、何でもないしー…何で謝るの?」と今思えば凄くﾋﾖﾘにとっては何ｺｲﾂ。KY?と思われただろう。だってその時たまたまﾊﾝｶﾁ持っていなかったし涙を拭うことなんて出来ない。という言い訳をつければ、雨が止んでいるのに傘をまださしているﾋﾖﾘに言おうと口を開きかけるも、言わなければこのまま→ﾋﾖﾘと近距離。という答えを出して言うのを止めれば、ﾋﾖﾘからの棘のある声、少し微笑み「ば、馬鹿じゃない……気がする。……それと僕もﾋﾖﾘとしか行かないよ。」と本文を後回しにして言えば時計をふと見て。そろそろﾊﾞｽが来る時間だな。なんてちゃんと定期券は入れてきただろうか。

(/意外に頭が回ったﾋﾋﾞﾔ君←)