カナリア 2013-06-03 21:38:20 |
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みき「・・・ん・・?ここは・・・」
目を開けると、そこには白い天井が見えた。
時雨「飯沼さん?気がついた?ここは保健室だよ。」
みき「時雨君・・・・どうして・・・!!球技大会!どうなったの!?」
私の問いかけに少し間を置いた後、時雨君はいつもの笑顔で答えた。
時雨「・・・今はいいから。とにかく寝てな。飯沼さん、熱あるんだよ。」
時雨君に言われ、私はおとなしくベットに潜る。
でも、やっぱり気になる。
あんなにみんなで頑張ったんだもん。
でも、教えてくれないってことは・・・
やっぱり・・・
嫌な予感がした瞬間、開いていた窓から先輩達の声が聞こえてきた。
敵チーム「いや~!最後の球技大会優勝できてホント良かったよね!!」
敵チーム「うんうん!途中まで負けてたけど、あのバスケ部の子が倒れてくれたおかげでね~、
あの後、相手のリズム崩れたもんね♪」
え・・・・・・・・?
私たち・・・
みき「私たち・・・負けた・・・の?」
時雨「う・・ん・・。でも、おしいとこまで行ったんだよ!あと、あと少しで・・・」
みき「私が倒れたから?私がみんなの足を引っ張っちゃったから!?私のせいで!!」
時雨「落ち着いて飯沼さん!!飯沼さんのせいじゃないよ!」
気が、遠くなる。
今までみんなで遅くまで練習して、一緒に汗を流して、一緒に笑って、励まし合って・・・
そのみんなの頑張りを・・・私は・・・
涙が頬を伝う。
静かに、ベットに落ちた。
暗いときに限って、嫌な言葉はどんどん聞こえてくる。
敵チーム「でもさー、まさかあんな見事に転んでくれるなんてね!もともと体調悪かったっぽいし♪」
敵チーム「ね!あたし思うんだけどさー」
聞いちゃ・・・駄目・・・
聞いちゃ・・・・・
敵チーム「はっきり言って、相手の負けってあのバスケ部の子のせいだよね。」
目の前が・・・・・・・・黒くなった
私、リーダー失格だ・・・
どれだけ暗くなっても、聞こえてくる先輩達の声。
耳を塞ぎたいのに、塞げない。
全部、事実だから。
フワッ
その時、私の耳を何かが優しく覆った。
時雨「あんなの、聞かなくて良いから・・・」
耳元でささやかれた声。
私の耳を覆うのは時雨君の手。
ああ・・・
あなたはどこまで私に優しさをくれるの・・・?
私は優しくて、とても愛しい人の腕の中で、
静かに、眠りについた。
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