カナリア 2013-06-03 21:38:20 |
通報 |
~一哉~
「今日からここに通うのか・・・」
俺、大野一哉は今日からこの「嵐山高校」に通う
成績的に正直きつかったが、どうしても通いたかった理由が2つある
1つは幼なじみの時雨と同じとこに通いたかったから
もう1つは・・・
もう、3年くらい前になるだろうか・・・
~3年前~
中学に入学したての俺は、兄貴の入学式に行っていた
それがここ、「嵐山高校」だ。
俺は入学式なんてつまんない、と校門前の桜の木の下で兄貴達を待っていた
すると、1人の女が俺にぶつかってきたんだ。
? 「ごっ、ごめんなさい!」
一哉「だっ・・大丈夫です・・・」
すごい勢いでぶつかられ、思わず声がかすれてしまった。
すると、その女は俺の顔を見て、
? 「あっ、あの!ここの高校のジンクスって知ってますか?」
一哉「え?いや・・知らない」
? 「入学式の日に桜の木の下で出会った男女は永遠に結ばれるんですよ!
素敵だと思いませんか!?」
一哉「え?・・・あー・・・うん・・」
なんだこいつ?いきなりぶつかってきて、何だかよく分かんないジンクスだかを話し始めて・・・
でも、まあ、見た目はなかなか可愛いな・・・。
薄茶色の長く束ねた髪に、大きな瞳、鼻も筋が通っていて、唇は桜色。
部活のランニング途中のようだ。
? 「私、あなたのこと運命の相手だと今確信しました!!絶対にまたここで会いましょう!!
じゃっ、さようなら!!」
一哉「!!?」
なっ・・・なんなんだ!?
いきなり運命の相手とか・・・
ヤバイ、もしかしたら、俺・・・
一哉「惚れた・・?」
~回想終わり~
あの子のことがまだ忘れられず、もう1度会いたくてここに入学したんだ。
それにしても俺って、惚れっぽいのか・・・?
だが、あの去り際の笑顔が頭から離れなかったんだ。
名前も分からないから、あの時の容姿で見つけるしかないと思ったが、なかなか難しい
とりあえず、新しい教室にでも行ってみるか・・・
お!さっそく時雨発見!!
一哉「時雨~おはよ!」
時雨「おはよ、一哉。」
一哉「いや~!お前と同じとこ通えて本当ラッキー!」
時雨「一哉が頑張ったからだよ。」
ん?この時雨の隣にいる女は誰だ?・・・!!
あれ?こいつ・・・もしかして!!
髪の毛は短くなっているが、あの時の子と同じ薄茶色、目はパッチリ大きく、鼻もあの子と同じ、
唇も桜色・・・。
見間違いなはずはない!!正真正銘あの子だ!やっと会えたぜ!
・・・が嬉しいくせについ、嫌みを言ってしまう
一哉「ん?なんだこのチンチクリンは?」
あー!もう俺なにやってんだよ!!
でも、「あの時の君の運命の相手です。」なんて言える訳ね-!!
てか、気付よ!自分で「運命の相手」とか言ってきたくせに・・・
しかし、あの子の目には今、時雨しか写っていないようだ・・・。
ずっと昔から仲の良かった時雨が恋のライバルになるなんて・・・予想もしてなかった。
だが、俺は諦めない。
いつか絶対にあの子、飯沼みきを振り向かせる。
が、なかなか素直になれない俺であった・・・ハ-・・・
トピック検索 |