「愛とは何か？」って尋ねられて、即答できなかった自分が恥ずかしい

んじゃ今度は、オレに父親がいない訳でも話そうか。

ま、ただの「離婚」ッスよ。どこにでも吐いて捨てるだけあるありふれた理由。
まぁ離婚した理由のうちの半分くらいはオレらしーんスけど。あ、ちなみに今からする話は、オレのばーちゃんから聞いた話ッス。
母親ね、今もそうなんだけど、昔から夜遊び激しい人で。
若い頃はヤンキーだったんだって。いやまぁ、それはいいか。
そんな母親に対してオレの父親は、超生真面目で仕事バカって感じ。会社で部長やってて。んで、母親より年上。
そんで、結婚して同棲してからも、母親の夜遊びは全然直らなかったし、直すつもりもなさそうな感じだったんだって。
んで遅くまで家で寝ないで母親の帰りを待ってるオレの父親。喧嘩は毎晩のようにしてて、とどまることを知らなかったんだって。
んで、いつの間にかオレができてて。そんで、なんかの間違いでオレが産まれちまって。
まぁ、母親にとっては、オレが邪魔だったんだって。
ちょっと考えれば誰でもわかるよね、オレが母親から邪魔がられてた理由なんて。
ちなみに、オレが産まれてからも母親は遊び続けるわ父親は仕事が忙しいわで、オレを構ってやれるはずもなく。
そんでオレは、ばーちゃんとじーちゃんのとこにやられて、そこで育ててもらってたんだって。
そんでしばらくしてから、父親が離婚切り出したらしく。
母親もすぐ納得の色を示したらしく。
んでなぜか、母親の方にオレは引き取られ。なんでこっち側に引き取られたのか理由は知らないッス。んで、一歳にもなってないオレはもちろん父親の記憶など微塵もなく。

金銭的な問題で母親もさすがに遊び呆けてはいられなくなって、その頃やっと仕事につき始めたらしーんスわ。んでオレもどんどん成長してって。

普通に、保育園入学して。
普通に、保育園卒業して。
普通に、小学校入学して。
このころからもうあまり「普通」とは呼べないような生活だったッスけど、それなりにちゃんとまっとうに育って、小学校卒業して。
この頃のオレには重過ぎる母親からの期待を一身に背負って、中学校に入学して。

母親、もともとヘビースモーカーなんスよ。もう、肺とかボッロボロで。
まぁ、あの人がいつ死のうかなんて興味ないッスけど。
65歳までに逝ってくれれば。
あ、なんで65歳までかっていうと、保険金の問題ッス。
65歳までに母親が死ぬと、オレに保険金が1000万おりてくるんスよ、いやらしー話ッスけど。
でも、その年すぎると、いくらだったっけなぁ…300万？100万？
いくらか忘れちゃったッスけど、とにかくガタ落ちしちゃうんスよ、額が。