あしゅか 2011-10-30 21:39:18 |
通報 |
煙のせいだろうか?
目が重くなってきた
私は、気絶してしまったのだ
おきたときは近くの小学校の体育館の中だった
「大丈夫?」
お母さんだ
「お父さんは・・・」
「まだ見つからないの・・・」
その時私は思い出した
私だけが助かったこと
お父さんはきっと今頃
「あっ・・・お・・・お父さんは・・・」
「どうしたの?お父さんの居場所知ってるの?」
お母さんにはなんて言えばいいのだろう?
「お父さんは・・・ガレキの下で、きっともう・・・火が」
「えっ!?どういうこと?」
「お父さんはけがしてて、なんとか途中まで一緒に逃げて、私がお父さんが歩くために傘を取りに行ったら救助の人がきて、煙で声でなくて、私だけが助かった・・・」
「・・・」
お母さんは何も言わずそのまま泣いた
「なんで・・・なんで」
お母さんがそう言いだした
それもそのはずだ
私は養子なんだ
本当のお母さんとお父さんは私を捨てた
私が赤ちゃんの時
でも、お父さんは最後まで私のこと思ってくれた
なんであんただけ助かったのよ!
そう言われると思っていた
でも、お母さんは
「お父さんはあなたを最後まで助けたのね・・・」
と言った
「お父さんはね、あなたが歌手になれるようにって毎日言ってたわ、なのに、あなたが歌手になる前に・・・なんで地震なんておきたの・・・なんで!なんでなんでなんで何で・・・」
お母さんは壊れたレコードのように何度も
なんでと叫んだ
私は今でも覚えてる
トピック検索 |