後輩×先輩no.3

「んっ、ハハッ…良いね。」
一変した彼の顔付きで僅かに目を瞠り、吐息が耳に掛かった事でつい上擦った声音を漏らすも、其れを誤魔化すよう乾いた笑いを零し、わり冗談だなんて済まされず今更言い出せなくなり、何だその顔は反則だろーがっと思いつつ、顔には出さず気怠げな目で相手の後頭部をぽんぽんして。

（相手の上擦った声に首筋を甘噛みしたくなるのを抑えて、後頭部撫でられれば狼から犬に変身するかのように顔つきが変わってゴロゴロ喉を鳴らして甘えるようににこにこと嬉しそうにして。女子たちがここで降りるねと止まった駅で降りようと声をかけてくれば「またね」と撫でられながら声をかけて

「…お前は犬なのか狼なんか分かったもんじゃねーな。」
相手に確り上擦ってしまった声を聞き取られ首筋を甘噛みしたくなっていた事を知る由もなく、煽らなければ良いんだと思いつつ、親しみ易いが迂闊にしてたら危ない事を垣間見れて。
女子たちには「おー、気を付けろよな。」と一応告げて遣り。

えー、俺は日向岳っていう先輩のことが大好きな人間ですよ？（へへっと微笑みそう述べ。やっと女子たちがいなくなったとほっとするも自分が降りる駅が近づいてくれば相手の肩に顎を乗せて黙ったまま甘えるように

えー、俺は日向岳っていう先輩のことが大好きな人間ですよ？（へへっと微笑みそう述べ。やっと女子たちがいなくなったとほっとするも自分が降りる駅が近づいてくれば相手の肩に顎を乗せて黙ったまま甘えるように

「違、そう云う意味じゃ…まぁ良い。なんだー？お前の降りる駅が近付いてきたかぁ？」
相手の言葉に苦笑を漏らし返すも、無言になり甘えたな様子で、もう汗をかいていた事なんて如何でも良くなっている故に、其の儘で居させてあげ。

そうです、さすが先輩。（自分の気持ちがわかったのかそのままにして置いてくれる相手がどうしても愛らしくてぐりぐりと額を肩に擦り付けて悶えて『絶対明日デートしましょうね』と呟き

「出会えればな、」
呟きにも至近距離な為聞き取っては、意地にも出会う事が出来たらと返し。

『出会えます』（にこと微笑み述べれば駅につき、名残惜しそうに相手の方から顔を離して『先輩今日はありがとうございました、気をつけて帰ってください』と告げて

「おう、じゃーな。」
名残惜しそうな彼に告げられ、此方からも口端に笑みを浮かばせて返す。

（降りれば手を振り電車が動き出して見えなくなるまで立ったまま電車を見つめて

「……ふぅ、」
暫しの間手を振り返し見送れば、明日は何処をぶらつくかとスマホを取り出し弄り始めて。

（イヤホンを耳にいれて音楽を流して寂しい気持ちを紛らわしながら帰路に立ち

明日の朝に飛ばしますか？

「外出して来る。」
午前中の稽古も終え、和と洋を取り込んだコーデに身を包み通学時には括っている髪も解いて、家内の人に声を掛ければ外出して。

(飛ばさせて頂きましたー。)

（弟のバスケの練習に付き合った後一度シャワーを浴びれば、黒のパンツに白のトップスその上に薄手のベージュのジャケットを羽織り、髪をワックスで自然に整えれば外に出て。『先輩と会えそうなとこ...』取り敢えず駅へ向かいながら考えを巡らせていれば、この辺では多くの人が集まりよく学生も集まるショッピングモールやカフェが集う場所を思いつきそこへ向かうべく電車に乗り込み

（ありがとうございます）

「ナンパなら他当たってくれるか。」
奇跡的にも彼と同じ場所へ向かう道中、一人でいるところを目敏く狙われ、相手へ見向きもせず鬱陶しそうにして。

（目的の駅につけば改札を抜けて人が賑わう繁華街の方へ歩いて行き、そこで相手を見つけて嬉しさから声をかけようとするも誰かと話しているような姿があれば友達かなと思い一度様子を見て

「…ぁ、…」
顔を背けていれば丁度彼が視界に入り、気まずそうな顔をするも、自身から彼の方へ近寄って行こうとすれば、腕を掴まれ面倒くせぇ奴…、と不愉快そうについ舌打ちして。

（腕を掴まれた時の相手の表情から友人や知り合いではなさそうだと察知すれば相手の元へと小走りで向かい『俺の恋人に何か用ですか？まぁあったとしても触らないでください、俺が話を聞きますけど』と腕を掴む奴の手を払いのけて、相手と奴の間に威嚇するかのような目つきで睨みつけてやり

「えっ。…そう云う訳だから、じゃあなー。」
彼の恋人、と云う言葉に思わず間の抜けた声を漏らすも、適応して乗っかり、掴んでいた奴は相手が居たのかと早速さ退散して行き。
「お前が居てくれたのは助かった。けど、恋人って云うのは無理が有るんじゃないか」
確かに世の中同性の恋人は存在するが、と掴まれていた箇所を摩りながらに告げて。