2026-08-18 19:10:57 |
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そう言うんじゃなくて、…何でこう君が言うと大丈夫そうに聞こえるんだろ…( 周囲に噂される云々の懸念より彼の発する大丈夫が上回ったのかそれ以上の言及はせず終えるものの、漂う絶対的な安心感の正体が分からずぼやき。遅れて見遣る頃には通常良く見るのんびりとした顔の彼につられて己も口元が笑みを作り出し )…じゃあもう離せないじゃんこれ。…、帰りますわよ( 肩を組む方の腕を僅かに揺らすもそれを合図に雨の街に繰り出そうと視線を景色にスライドさせながら彼へと示唆して。微笑む友人の笑みが眩しいような気がして動揺が口調に混じってしまった己は一旦強がりで無視することにした )
( 彼の言わんとする事は漠然と理解しているが、己としては微塵も懸念とせず。寧ろ隣を歩む彼のいい虫除けになるなら意外と悪くない、とさえ思い巡らせるもので。次第に崩れた彼の面持ちに満足気に頷き。それを倣ってはわざとらしいお嬢様言葉遣いでノリ良く唱え )そろそろお城に帰る頃合いですわよ、魔法が溶けてしまいますもの( 足取り軽く、多少水を被ったスニーカーすら気に留めない。魔法。雨のベールが視界を邪魔して傘の下、心地好さと軽い動悸は何処ぞの姫君にも負けず劣らない筈だろう )
もしや弄られてる?シンデレラと何かが混じってるな、…ねえ歩くん。魔法は有限な方が魅力的じゃない?( 闇色に濡れたアスファルトも足取り軽い彼の動作に赤絨毯にでも間違えそうな、──そう思える程に引けを取らない愛おしい日常だと穏やかに帰路へと歩み始めながら思うなど。胸中とは比例せず位置が気になった自らのリュックを背を少し揺らして直しながら淡々とツッコミ入れて、ふと頭に浮かんだ興味関心のままを口に出してみて )
( 彼からの疑問は聴こえない振りを貫いたと思えば、続く手馴れたツッコミは看過できずに終ぞ相好を崩し。問い掛けの本質は測り兼ねるままに同意の旨を唱えるべく口唇薄ら開き )おれも右に同じく。有限の方が価値があんじゃねえかな( 雨音と鼻唄が入り混じり上機嫌を顕にするも、発言後何拍か置いて彼に言うでもなくぽつりと独り言ちて )…おれ達もそうなんかな
( 堪えきれず軽やかに笑う様にコイツ…!とでも言いたげに眉を顰めるもそこまで物申したいわけでもなくそれも直ぐ緩んで口端に何の気無しに微笑作り。質問に関しては相槌の如くフンフンと短く頷いてから、 )…そっ、…れとこれとは全然違う。絶対に。…だって僕は無限に一緒に居たい、し…( 耳心地良い鼻唄の後に加えられた言葉に一刻も早くノーを答えるために最初の一音がやや大きくなってしまったのを諌めるように一呼吸置いて答え。思いつく限りを口にするものの恥ずかしいことを言ってそうな可能性を自身に見出すと居た堪れず徐々に雨の景色の方に油分の不足したロボットが如く顔を背けて )
( 突如として発せられた一音に驚愕し、瞳孔を丸く開いたままに胸元を抑え声の主に視線を向け。否定の体をした願いにすら聴こえる発言に、忍びやかに様子を伺えばそこに居たのは余所を向く彼で。面食らうものの、普段よりやや穏やかな声色を意識し噤んでいた口を開き )じゃあ無限に居ようよ。巡くんがおれを選んでくれんなら応えたい( 呆気ない程に簡単に告げる言葉に淀みはなく、発したのはあまりにも単純な本音で )
──…メロ、まじか。…じゃなくて、…まじか( 背を向けた方から聞こえる声音は驚く程に柔い肯定をしたものだから瞼で炭酸が弾けたみたいに短く瞬いてからゆっくり彼側へ視線を戻すも如何せん語彙が追いつかない。締まらない己を少しでも隠したくて空いてる方の手で薄ら紅潮した顔の下半分を覆って )そんな嬉しいこと言ってもらえる予定じゃなかったから更に嬉しい気がする。…ずっと選ぶよ、僕は歩くんと一番仲良しでいたいからね( 混じり気のない本音が空気を伝播して温もりある微笑を宿しながら背筋を伸ばし、自信ありげに応じてみせて )
( 造形美さえ感じ得る綺麗な手の行き先を辿り、ぱちぱちと瞬いては数拍置いた末に驚愕の色濃く彼を見詰め。驚いた。数年の仲だが見慣れぬ照れ顔に、ぎこちなくその身強張らせ )メロくない。…ただの本心だし。捨てられねえように頑張るよ( 与えられた言葉を嚥下して、一度だけ深々と頷き。無限やずっと、と消費期限が曖昧な口約束を交わし合えど、恐らく彼と見ている未来は近しいのだろう。ならば精々足掻いてみるかと意気込んだ眼差しで隣人を綿密に目を注ぎ )
( 己の失態が恥ずかしいだけではあったがそれを顕にすることで彼の様子を凝固させてしまうのは不本意だったから視認しては一瞬狼狽えた顔をしては戒めるように自分の頬を軽く叩いてから下ろし。その後にいつもの調子を取り戻すべく僅かに声を張り上げて )人の心って覗けないからね、教えてくれるのは何となく特別感あって気分が良い。てか捨てません。…あ、てか。他に寄りたいとこってある?( 人の心を汲み取るだけの機微は無いが彼に限定してなるべく素直でいようと決めているので出来るだけ思うままを平静に戻りつつある声音に乗せて。ただ捨てると言う単語は聞き捨てならずきっぱり否定してから閑話休題すべきかと、双眸を少し伏せながらそっと尋ねかけ )
( 頼もしい彼の言葉に2人の合間を縫う雰囲気が従来通りに傾いた事で、切り替えるように細い息を吐き強張った身体から脱力させて。問い掛けに関しては、微かに視線を落とし濡れたスニーカーを一瞥し )これから雨脚強くなるっぽいよ。…惜しいけど解散かな( 学ランのポケットで眠っていた端末取り出し、天気予報を確認するなり名残惜し気に告げて。先程まで良きBGMと機能していた雨音が次第に大粒の雫となり傘を叩く。隣人の応答を待ちすがら、パーセンテージは違えど当分雨を報す予報に肩を落とし )
──…そうかあ、…あ。じゃあさ、週末の予定考えよ。別に当日違っても良いから今の気分で色々あげてくの。画期的な暇潰しじゃ無い?( 彼の表情の変化に内心安堵に包まれながら強くなってきた雨足に『げ』と顔が分かりやすく曇って。スニーカーが同じく雨水を吸い始める気配を感じたので気持ち足取りは早めるも一瞬思案顔を挟み指を一本立てて提案し。特に一緒にいる予定とは決まってないが、あくまでもしもの話ゆえ楽しい話題じゃなかろうかと軽やかな微笑添えつつ彼の面差しが良く見えるよう首を傾げて問いかけ )
!いいねえ、乗った( 己には十二分に眩い提案にパッと上げた顔には既に憂いは無く、今しがた駆け抜けた一陣の雨風を諸共せずに頭の中に浮かぶ彼是を指折り数えて )前に話題になってたでっかいパフェ食おうよ、2人がかりで。一緒に映画も観てえし、疲れたら~…、……やっば。喋りすぎた?( 滞りなく発話する口元が上機嫌に引っ張られ、当人は意図せずとも明日に控えているかのように無邪気な面差しをしていて。止まらぬ構想中、ふと視界に入った隣人に恐る恐る口元抑えながら訊ね )
( 感情が豊かに浮かぶ緩やかに垂れた双眸の行方を追ってるとどうにも口許が緩みそうになるので考える風に己の片手を口に添え直して )流石のチョイス、アレだよね。季節のフルーツ乗ってるやつ。映画は今何やってたかなあ、…ん?喋り過ぎは全く感じてなかった、もっと聞いてても良いくらいだよ( 歌うように溢れる予定に時折短い首肯入れながら、ふと喋り過ぎとの確認にはキョトンと目を丸くして。要らぬ心配だと暗に示すように視線を合わせて緩々とした微笑で応えてみせて )
っと、…ん、そっか~( 彼が真摯に認めてくれるのだから、夢で溢れる構想は煌めきを増す。穏やかで知的な風貌に柔らかな栗色の瞳に許されたようで、視線を彼に配りながら照れくさそうにはにかんで )じゃあさ、おれが語る前に巡くんは何処行きてえとかない?( つい先刻に組んだ腕を軽く引き寄せ、彼のリクエストに耳を傾ける準備ならば既に出来上がっているも当然。いずれ聴こえる筈の応答に胸を躍らせる心地のままに口を閉ざし )
…慣れないこと言ったなあ、明日僕の歯は浮いてるかも( 己が他では絶対に見せない素直な言葉を吐露したことへ声音も抑えてぼやき。けれど穏やかに笑う鈍色の瞳と視線が合うとそれすらどうでも良く、つられるように笑みを深めて )んと、…さっきの話に繋がるかも。…歩くんさえ良かったら秋限定のアフタヌーンティー行きたいなって…いくつか調べてあるんだけど( 一緒に行きたい場所にあてがあったのかされるままに肩を寄せながら自分のスマホを空いた手に取り。彼に見えるように言葉にした場所の詳細を示すURLを開いてこれ、と小さく述べながら其方側に見やすいよう液晶画面を傾けてみせて )
っはは、おもろ。時差あるんだ( 耳当たりの好い声がぼやきに形を成した瞬間を聞き逃さずに肩を微かに震わせ笑い。絡む視線の先を注視するのが妙に照れ臭く、腕を組んだまま軽く小突いて )アフタヌーンティーって、あの華美なやつか。…おれが相手でも巡くん楽しめそ?( 凡そ一般男子高校生の口から溢れない縁遠い単語に目を瞠り、促されるままに彼のスマホを倣うように覗き込み深く感心し。嘸かし美味であろう煌めく洋菓子の数々に惹かれつつ、押し退けるように疑問が口をついて )
稀に脊髄さんに言葉が寄り道するから脳の処理が遅くなるんだよね、…( 他愛ない戯言を緩々声に乗せ、注視から横目に彼を見る程度に視界の角度を徐々に変える。小突かれるのは敢えて受け止めたならお返しにとばかり、彼と触れる肩の方へじわりと体重乗せようと試みて )調べたらマジキラッキラのホテルのラウンジとか出てビビったのはあるんだけど。…こっちのさ。カフェとか中国茶飲み放題のお店とかは入りやすい気がする。?勿論。探した何処も歩くんと行きたい所だよ( 何も考えずインスタで調べた記憶に一瞬顔を曇らすも直ぐに気を取り直し。郊外のテラスのあるカフェや飲茶中心の茶房のページを指先でタップして見せながら、口にされた疑念には首を捻りつつ思ったままの言葉を述べながら自然と表情を弛ませて )
ウケんね、それがポンコツ呼びされてる所以?──わ、巡くんは目立つの嫌なんじゃないの( これ程までに一緒に居ても学校内の彼を知らない為に、独特な言い回しを咀嚼しながら呑気に憶測を並び立て。気配感じれば避けずに肩を貸し、先刻の話題を引き摺りだせば口端を柔く上げ )あっはは、おれ愛されてんなあ。アフタヌーンティーは大人になったら行こ。今の所は…んー…、おれこれ気になる( 一介の高校生では手を伸ばし難く、かと言って断るまでに至らないのは己は彼に甘いのだろうか。但しこの場で熟考する質でも無くさらり受け流すと彼の提示してくれた画面を覗き込み。その中で目に留まった3Dラテアートを指差し、そわそわとすぐ傍らの顔を伺い見て )
どうだろ、認め難いのは確かだ。…良く考えたら視界不良だし目立つ訳ないからいいかなあって( 気の抜けた片仮名4文字に一瞬だけ眉を下げるも肩を下げつつ平素の表情に移り変わり。雨に遮られる視界に映るのは帰路に急ぐ人や傘を片手にスマホを弄る人くらいで、ざっと見回しながらそれでも余り長く身を預けるのも気が引けてそろりそろりと姿勢を正していって )!んね、スーツが似合うような大人になるといいな。…お、此処僕も気になってた。3Dラテアートリアルで観たこと無いんだよな~…( 大人になってからの約束事が期せず出来たことに表情を明るくし、数回首肯して同意する。指定されたカフェのページに一旦止まるとカップ上に豊かに泡立つ見事なラテアートの画像に同じように視線を集めてから横目に彼を捉えたならいく?と確認するよう薄ら首を傾げて訊いてみて )
おれよかしっかり者なのにね、分かんねえ奴ら~( 煮え切らない解答に対し不満気に眉間に皺を拵えては口唇尖らせ文句を垂れて。他校の友人と言えど長く時間を共にしてきた己からすると納得はいかず肩を竦める他なく。肩の重みと温もりに僅かに寂しさ覚えるも殊更に深追いせず、彼の挙動の見守りに徹し )じゃあ次に出掛けんの此処にしよ、満場一致っぽいし。詳しい事は後で連絡すんね。…巡くん送ってくれてありがと、雨足落ち着いてきたけど気を付けて帰ってよ( 興味の指針が凡そ同じ方向を指している事に自然と表情が綻び、じんわりと温もりが広がる胸中。会話の応酬が落ち着いた頃合に丁度良いタイミングでマンションに辿り着けば、一言二言言い残し名残惜しくも傘から抜け出しエントランスへ脚先を向け / 〆 )
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