匿名さん 2026-01-02 23:22:05 |
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(酒臭い衣類を脱ぎ捨て、古い配水管が温かい湯を吐き出す前から冷たい流水を被っては、呆然と先程の会話を噛み締める。こちらを見据える険しき視線と表情から疎まれている事が再確認させられ、キリキリと胃の腑が締め付けられるが、それでも尚声を掛けて貰えた事が笑える程に嬉しい。冷水が熱水に変わってからも暫くシャワーの前で立ち尽くしていたものの、漸く気持ちを切り替えて手短に全身清めれば、普段は結んでいる長髪をそのままに浴室を出て。流石に兄も寝ただろうし今度こそ気付かれはしないだろうと自室をそろりと抜け出せば、酒焼けした喉の渇きを癒すべく血のボトルでもないだろうかと巡らせていた視線が、ぴたりと一箇所で止まり。ソファに、兄がいる。寝ているのか休んでいるのか、額に指を当てて目を瞑る様は、悔しいが酷く絵になる仕草で、釘付けにされた様に動くことができず。もし、もし寝ていたら、今なら初めて兄の傍に近寄れるかもしれない。酒のせいだけではない喉の渇きを覚えながらそんな思考が頭を過ぎるが、兄に気付かれてはと思うと足は動かず。結局黙って近寄って機嫌を最大限損ねる勇気はなく、寝ていたらいいのにという願望も捨てきれない結果、絞り出すようなか細い声で呼び掛けて)……兄貴?
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