□□ 2025-12-30 22:14:59 |
|
通報 |
( 押し付けられた服に一瞬固まり、視線を落とす。黒のタートル。こういうのを平然とやるのが、コイツだ。軽口の一つも返そうとして――その前に、楓はもう次の服を探すみたいに視線を泳がせている。さっきまでのピアスの話題も、微妙な空気も、もう頭から抜け落ちている顔。……え、切り替え早。…………。拍子抜けしたように一瞬だけ黙り込み、内心で肩透かしを食らう。あれだけ理屈並べて止めて、耳まで触って、勝手に気まずくなってたのは俺だけか。なんなんだこの温度差。いや別にいいんだけども。 )
おい、勝手に人の体でサイズ測るな。
( ようやくそれだけ言って視線を上げた瞬間、死角から聞こえる明るい声。肩を跳ねさせた楓が、ほぼ反射で背中に隠れてくるのを感じて。ああ、はいはい。こっちは相変わらず通常運転か。仕方ないなと前に出ると、店員に軽く会釈してにこやかに対応を済ませ )
すみません、大丈夫です。見てるだけなんで。
( 人の良さそうな店員が「そうですか。また何かあったらお声掛けくださいね~」と言い残して去ったのを確認した後、今の見事な飛び上がり方を思い出して、可笑しそうに口元を片手で押さえ )
ふっ…いやビビリ過ぎだろ。いい加減慣れろよ。今の、完全にホラー映画のリアクションだったんだけど。
| トピック検索 |