Lilly 2025-06-18 21:01:18 |
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(『日本では、冥色…と呼ぶそうだ。暮れた空の色。…深い海の、深淵を表す色。』…どこか安心したような、それでいて気恥ずかしさと純潔が折り混ざるような。陽の元で咲き誇る花のよう咲く彼女の愛らしい笑み、美しい盲目の虹彩が見つめているのは僅か己の瞳より下方。そう、…空に差す光のような七色の瞳は、この世の実態を映さず"光"のみを映している。初めて彼女に出会ったあの夜から、何も変わらない。自分を見上げる時、彼女がいつも見つめているのは一点、─────右耳に輝くピアスの光。さらりと夏夜に揺れる金髪の下、瞳と同色である蒼い石の輝きを。他の誰でもない己の証として、愛おしい者を見つめる瞳で捉え、柔く微笑む。そんな彼女を見て、自分は同じように目元に和らげ…狂おしい程の愛おしさ故に眉を下げる。…いつしか己の肩に跳ねる小さな友人。その囀りが自分の装いを伝えているのだろう。優しく包んだままの華奢な掌に、浴衣の色について文字を残すと…そのまま。その片手を掬うよう軽く持ち上げ、伏せた瞼、流れるような所作で指の背に唇を落とす挨拶を。…さて、まず何を楽しもうか。)……──────(『お腹は空いてないか』…林檎飴、…たこ焼き、…金魚すくい。参道に並ぶ屋台の羅列、目に入るその暖簾をゆっくりとその掌に書き記してゆく。…時間はたっぷりとある。彼女が何に興味を示すのか、歩き始める前に問うこととして)
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