悪魔くん 2025-06-15 14:32:36 |
|
通報 |
( ファミレスへと向かう途中、俺の手をぐいぐい引っ張っていた彼女が、ふと何かを察したのか、あっさり手を離した。拍子抜けするほど自然な仕草。でもそれ以上に、次に出た言葉の破壊力がすごかった。「 レンくんの手って大きくて冷たくて、私好きです! 」…いやいやいや言葉の選び方が直球すぎる。誰にでもそう言ってんのか、それとも俺だけにか、そんなことを考える間もなく、喉元がひときわ強く締めつけられる感覚が襲った。首飾りの反応。ぎりぎりまでセーフを攻めてた俺の思考が、ついにアウトと判定されたらしい。顔には出さないけどマジで痛い、ヤバい。てか女神!俺はまだ何もしてねえ!お前んとこの鈍感天使が好き勝手やらかしてるだけ!しかし喉まで出かかった不満は心の中で留める他なく、こほん、と咳払いひとつで取り繕った後、恰も興味のなさそうな相槌を打っておき )
……あっそ。
( そしてふと顔を横に向けると、心なしか不安げな彼女がちらちらと俺を見上げていて。……だろうな。そんなことだろうとは薄々思ってたよ。ただ、何気ないやり取りの中でもこうして信頼を向けられるのは、悪くない。少し得意げに笑って )
あってる。俺が下調べしたんだから間違いねぇよ。信じろ、俺を。
( そうして歩き続けるうち、目的のファミレスが見えてきた。ちょうど夕焼けが店のガラス窓を照らしていて、思ったより雰囲気のある外観。人間の客もそこそこ入っているようで )
| トピック検索 |