2025-01-26 00:23:08 |
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(豪華客船レガリア号がサウサンプトン港を出港してから二日目の午前、船内は未だ初日特有の高揚感を引き摺っており、デッキには乗客たちの笑い声と軽快な音楽が心地よく響いていた。しかし、それらの喧噪は侯爵ギルバート・モラレスの客室には届かない。厚手のベルベット製カーテンで遮られた窓から漏れる光はわずかで、静寂を破るのは画板に固定された紙の上を鉛筆の芯が滑る音だけ。肖像画の依頼主である侯爵もまた、それに耳を澄ませるようにただじっと豪奢な肘掛け椅子に身を沈めている。堂々とした姿勢で目の前に座る彼の存在感は、あたかもその空間すべてを掌握しているかのようだ。侯爵の姿を細部まで観察し、鉛筆を握る指先に軽い汗を感じながらも、慎重に紙の上に線を重ねていく。静けさに微かな緊張が漂う中、侯爵はゆったりと背もたれに身体を預け、低く落ち着いた声で問いかけた。「調子はどうだね?バートン君。」鉛筆を持つ手を一瞬止め、静かな声で応じる)
──ええ、順調です。もう少しで全体の輪郭が取れます。
(/上記にてモラレス卿のお部屋を舞台に物語の幕を開けさせていただきました!ただいま室内ではアーサーと侯爵の二人が向かい合っている状況です。こちらにベアトリス嬢の登場を考えておりますが、流れに繋げにくいようでしたらどうぞご遠慮なくお知らせください。また、保管庫の方にもDMをお送りしておりますので、お手すきの際にご確認いただければ幸いです。)
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