明谷 弘也 2025-01-11 01:01:58 |
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(相手を客間の布団に寝かせると、聞かれた寝言は自分の名前を呼ぶ声だった。どうやら何か嫌な夢を見ているらしい彼は、眠りながら苦悶の表情を浮かべていて。どうにか自分がその原因を取り除いてやりたいと思えば、そっと手を握ってやる。自分の味方はここにいるから何も心配は要らないと目で訴え、安心を与える様にぽんぽん、と胸辺りを軽く叩き寝かしつける様にして。先程パソコンの画面に映っていた『就職情報』の文字は、本当に見間違いでは無いのだろうか。だとしたら彼は自分の知らぬ間に何らかの理由で仕事を辞め、路頭に迷っていたという事になる。…どうしてもっと早く気が付かなかったのか。否、行動を起こせなかったのか。その後悔の念と、これまでの辛い思いや身体の不調をこれから自分が治してやるつもりで、すーっ、と息を吸い込み)
…俺はずっと一緒にいるからな。いつまでも、瑠衣の味方だ。
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