通りすがりさん 2024-10-19 20:23:00 |
|
通報 |
……ああ…。
(彼の問い掛けにはぼんやりとした表情のまま頷く。心配して声を掛けてはみたが、どうやら調子か振るわないらしい。早く部屋に帰りたい、と悲痛な調子で嘆く彼の言葉と絶望に満ちた表情を一瞥し、視線を空中に泳がせて何やら考え込んだ後─運動着の胸ポケットに仕舞ってあったマジカルペン─他の生徒とは違い、赤や緑のものではなく、何処までも透き通った透明の魔法石が埋め込んである─それを音も無くすっと取り出し、バルガスの方をちらりと見る。どうやら今のところ、バルガスは他の生徒の指導に夢中でこちらに意識が向いていないらしい─それを確認してから軽く目を伏せた後、不明瞭な声で呪文を呟いた。すると白い繭のような物体が空中に形成されていく─のを横目に、既に体力の限界を迎えているのであろう彼に声を掛けて)
……帰りたい、なら…帰して、やろうか。…おれが、怒られれば…済む、話…だからな。
| トピック検索 |