三丁目のミケネコさん 2024-10-06 22:18:03 |
|
通報 |
それはお前と出会ったからだよ。
( 素朴な疑問、きっと何も考えていない問いかけに当然のように偽りない言葉を相手へ浴びせ、柔和な微笑みを見せる。そう、彼に出会ったから。同じようにホースから水を出し、花に水をやる。その花を見つめながら淡々と話し掛けた。「遊んでたのは事実、理由は簡単で何もかも退屈だったから。でも桃李と出会って毎日の楽しみが増えて、そんな気も起こらないくらいお前のおかげで楽しいんだよ。」最後に小っ恥ずかしいな~なんて付け足してけらけら笑う。彼と見る景色はどれも美しい、花弁から滴る水滴ですらやけに眩しく感じる。壁を作ってる訳でもない、他の誰かより彼といる方が数倍楽しいからだ。完璧で近寄り難い自分が親友として彼の傍にいたら誰も彼に近寄らない。特別な存在になろうともしない。だから見せ付けてやっている、俺達の間に誰も入る隙など無いのだと。 「お前が彼女作って俺の事放っておいてたらお前の家居座るからな。」いつもの軽口を叩いている様に見せかけこれが本気だと知ったらどんな顔するだろうか。例え誰であろうと己から彼を取ることは許されない。例えどんな事をされようとも俺から彼の元を離れることも無いだろう。だからこそ、彼を奪うようなものなら…。持っているホースをつい力強く握りしめるとホースは思っても見ない方向へ水を噴射させ、相手の顔面へ一直線で。小さく、あ。と声を上げる。花弁ではなく、相手の髪の毛から水が滴る。やってしまった、つい力が入りすぎた。申し訳ないと思う反面、腕を組んで相手の姿をじっくり見てから頷き。 )
……いやー、水も滴る良い男になったな桃李。
| トピック検索 |